「古伊万里ってどんなもの?」
「古伊万里を高く売る方法が知りたい!」
このように考えていませんか?
古伊万里は、その優雅なデザインと400年以上の豊かな歴史背景を持つ陶磁器で、多くのコレクターや愛好家に高く評価されています。
特に、製作年代や様式、保存状態によって買取価格が大きく変動する点が特徴です。希少な陶印の有無や技術の高さも、古伊万里の価値を左右する重要な要素となります。
この記事では、古伊万里の種類や高く売る方法を解説します。古伊万里を高値で買取してもらうための具体的な方法も紹介するので、売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
古伊万里とは
古伊万里は、伊万里港から輸出されたことに由来しており、江戸時代に造られた約400年の歴史を誇る有田焼の一種です。当時外様大名であった賀藩から将軍に献上されており、政治的地位の安定の道具として使われていました。
古伊万里は色鮮やかな絵付けや複雑なデザインが特徴で、柿右衛門様式や金襴手様式、鍋島様式など多彩な表現が特徴です。また、美しい赤絵や染付が世界的にも高く評価されています。
日本のみならず海外コレクターにも高い人気を誇り、「オールドイマリ」として世界的に認められています。
海外でも人気があるため、現在でも高額買取されることが多い、日本の伝統的な陶磁器です。
古伊万里の種類
古伊万里には、時代や作風によってさまざまな種類があります。
- 初期伊万里
- 古九谷様式
- 色鍋島様式
- 柿右衛門様式
- 古伊万里様式
- 金襴手様式
この項では代表的な古伊万里6種類を解説します。お手持ちの陶磁器とそのデザインを見比べながら、どの型かをチェックしてみてください。
1.初期伊万里
17世紀初頭に生まれた初期伊万里は、中国や朝鮮の磁器を模倣して造られた陶磁器です。シンプルで控えめな色使いが特徴で、この時期の古伊万里は製造技術がまだ発展途上であり、試行錯誤を重ねて製造されていました。
また、焼成後には「釉薬」を多用し、滑らかでやや不均一な光沢が特徴的です。製造された数が少なく、希少な点から、高額で取引されることが多いです。
2.古九谷様式
古九谷様式は、初期伊万里の後に完成された様式で、絵付け技術が高いことで知られています。
古九谷様式は、九谷焼の技術やデザインから影響を受けており、複雑で洗練された絵付けが特徴です。古九谷様式の古伊万里は、色彩豊かで細部にわたる装飾が際立ち、花鳥風月や風景などの自然モチーフが多く取り入れられています。
また、古九谷様式では、釉薬の使用量が調整され、焼成後の色彩がより鮮やかでありながらも色彩に深みを持つように工夫されています。国内外で高い評価を受け、西洋市場でも人気を博しています。
3.色鍋島様式
色鍋島様式は青みがかった裏文様が特徴的で、鍋島藩窯によって生産されました。鍋島藩窯は、江戸時代中期から後期にかけて栄えた窯元です。
1670年代ごろに製造されていた「藍鍋島」に比べて、18世紀初頭ごろに製造された「色鍋島様式」は、伝統的な染付技法に加え、金彩や銀彩が施されることもあり、装飾性が向上しています。
豪華な装飾と繊細な絵付けから、上流階級や裕福な商人層に人気がありました。現在では、色鍋島様式の古伊万里は、希少性と美しさから高く評価されています。
4.柿右衛門様式
1670年代頃に確立された右衛門様式柿は、乳白色の素地と鮮やかな赤色がデザインされています。柿右衛門様式の古伊万里は、余白を活かした絵付けが施されており、花鳥や人物などのヨーロッパの要素が多く取り入れられています。
また、色彩のバランスが重要視されており、赤や青などの鮮やかな色彩が巧みに使用されています。右衛門様式柿の古伊万里は、オランダ東インド会社を通じてヨーロッパへも輸出され、貴族間で高級品として扱われていました。
特に「渦福」と呼ばれる特徴的な陶印が付いているものは製作年代が判別でき、歴史的価値を持つため高く評価されています。
5.古伊万里様式
元禄期(1688〜1704年)に生まれた古伊万里様式は、唐花文、獅子牡丹文、草花や鳥などの生き物が描かれています。余白がないほど豪華な絵が満遍なく描かれており、その力強いデザインが印象的です。
伝統的な日本の美と西洋の装飾技法が融合され、その美しさが貴族や裕福な商人層に人気でした。細部にわたった複雑なデザインが高く評価されており、現在では古伊万里様式の作品は国内外で高額取引されています。
6.金襴手様式
古伊万里様式には、染付様式や色絵様式など、さまざまな種類があります。特に金襴手様式は、古伊万里様式の中でも豪華で華麗な様式です。金襴手様式の古伊万里には藍色の素地に金彩や赤彩が多く施されており、華やかさと高級感に溢れています。
金襴手様式の古伊万里が高額で取引される理由は、細部にわたる精密な装飾にあります。当時としては製造が難しい細かな装飾は、美しいデザインから時代を超えて人気の高い古伊万里です。
高額になりやすい古伊万里の4つの特徴
古伊万里の中でも特に高値になりやすい古伊万里は、希少性や技術的な価値を持ちます。
- 初期伊万里
- 柿右衛門様式の古伊万里
- 金襴手様式の古伊万里
- 裏印(落款・陶印)がある
以下に、高価格で買取されやすい古伊万里の特徴を4つ紹介します。査定に出す前に高額買取される陶磁器の特徴を押さえ、自身である程度その価値を推測しておきましょう。
1.初期伊万里
初期伊万里は、1610年代から1630年代頃に製作された最初期の伊万里焼です。現存数が少なく希少価値と歴史的価値が高く希少なため、高値で取引されます。
初期伊万里の平均取引価格は10,000円〜15,000円ですが、状態や希少性によって価格は大きく変動し、166,000円で買取られた事例もあります。
青一色でシンプルな絵付けがされており、釉薬を多めに使用しています。絵付けの前に素焼きをしない独特の製法で造られ、中国や朝鮮の古染付からインスピレーションを受け、製作が始まりました。
当時から特別階級の焼き物として高く評価されており、現在では日本の磁器製作の黎明期を示す重要な作品として人気です。代表的な作品として、草花や鳥などの生き物が描かれた皿や茶碗が有名です。現在から400年以上前に造られたため、状態のよい初期伊万里は珍しく、高額買取が期待できます。
2.柿右衛門様式の古伊万里
柿右衛門様式の古伊万里は、17世紀中頃から18世紀にかけて作られた古伊万里です。「濁手」と呼ばれる温かみのある乳白色の素地が特徴で、色絵の美しさを際立たせます。
柿右衛門様式の古伊万里(錦手の煎茶器等の食器類)は、約2万円〜3万円で取引されます。余白を活かした繊細で精緻な絵付けは、絵師の高い技術を示しています。花鳥や人物などの東洋的モチーフが多く取り入れられている点、赤や青などの鮮やかな色彩も、人気の理由です。
オランダ東インド会社を通じて欧州へも輸出され、王侯貴族の間で高級品として人気を博しました。また、「渦福」と呼ばれる特徴的な銘款も多く見られ、高く評価されています。
3.金襴手様式の古伊万里
金襴手様式の古伊万里は、1690年から1740年頃に登場した高貴な焼き物です。白磁に色絵付を施し、金彩で文様が描かれているのが特徴で、派手な配色が織物の金襴に似ていることから「金襴手」と呼ばれています。金襴手様式の古伊万里は、約15,000円〜20,000円で取引されます。
製作には4回以上の窯入れ(陶磁器を窯に入れて焼成する工程)が必要で、多色使用や金の投入により手間と時間がかかるため、陶芸界でも重宝されています。
欧州向けの輸出品として高く評価され、金彩が剥がれておらず、全体のデザインがはっきりしている古伊万里は、高価買取が期待できます。金襴手様式の古伊万里は高貴さと技術力の高さから価値の高い様式として高値がつけられることが多いです。
4.裏印(落款・陶印)がある
裏印(落款・陶印)がある古伊万里は、製作した窯や作家が特定できるため、買取価格が向上します。裏印とは、古伊万里の底面や高台内に施された印や署名のことです。
裏印の状態がよく、窯や著名な作家名がわかる場合、数千〜数万円買取価格が変動する可能性があります。
特に「福」の字と渦が青色で描かれた「渦福」や「角福」と呼ばれる陶印は、製作年代が判別できる貴重な印です。経年劣化によって裏印は薄れてしまうため、現存している陶磁器は歴史的価値が高いため、より高値での取引を狙えます。
古伊万里の偽物の見分け方
古伊万里には多くの偽物が存在するため、購入や買取の際には注意が必要です。模造品を見分ける際には、以下の特徴を注意深くチェックする必要があります。
- 表面のテカリ
- 歪みの有無
- 小傷のつき方
偽物の見分け方のポイントを一つずつ具体的に解説するので、参考にしてください。
1.表面のテカリ
模倣品の古伊万里は、表面が不自然に光っていることがあります。400年前に造られた古伊万里は、長い時間をかけてやわらかな光沢へと変化するため、不自然に反射する場合は偽物の可能性が高いです。
なお、新しい伊万里焼にはピカピカとした硬さを感じる光沢があるため、光を強く反射している場合は、現代の技術で造られた伊万里の可能性があります。精巧な偽物の場合は、本物と見比べるのが難しいため、鑑定士に査定依頼するとよいでしょう。
2.歪みの有無
本物の古伊万里は、手作業で造られているため、わずかな歪みが見られます。薪を燃料とした窯を用いて陶磁器を焼き上げていた江戸時代では、温度管理が難しく、完成時に焼きムラが生じていました。そのムラは当時の製造環境を伝え歴史的価値があり、古い焼き物の持つ味わいとして愛好家に人気を博しています。
一方、模造品は現代の温度管理された環境で機械的に造られているため、歪みがなく完璧な形である場合がほとんどです。伊万里を横から見た際に、フチが完璧に水平になっている場合は、現代に造られた伊万里、もしくは模造品の可能性があります。
3.小傷のつき方
古伊万里は、400年以上前の江戸時代に造られたため、フチや表面に小さな損傷や欠けがある場合がほとんどです。時間をかけてつけられた傷は、不規則な方向についており、損傷に違和感がありません。
しかし、偽物の古伊万里の場合、意図的に傷をつけて古く見せるため、傷の付き方が不自然であったり同一方向に傷がつけられている特徴があります。傷の場所や深さ、全体のバランスも、本物であるかどうかを判断できる基準になります。
古伊万里を少しでも高額で売る方法
古伊万里の売却額には、適切な保管や付属品の有無が関わってきます。手元にある古伊万里を少しでも高く売却したいなら、以下の工夫を確実に行いましょう。
- 保存状態をよくする
- 共箱をセットにする
- 複数業者に査定依頼する
- 古伊万里専門の買取業者に見積もりを依頼する
それぞれポイントや注意点を紹介します。
1.保存状態をよくする
古伊万里を高額で売るためには、できるだけきれいな状態での売却が重要です。どれだけ希少性が高い古伊万里でも、状態が悪く、傷や汚れがたくさんついていると査定額はグッと下がります。
古伊万里を保存する際は直射日光や湿気を避け、傷や汚れがつかない環境での保管で、買取価格を維持できます。緩衝材を使用して冷暗所での保管で、状態の悪化を防ぐことが可能です。
2.共箱をセットにする
古伊万里を保管していた共箱(表面に墨書きがある木製の箱)がある場合は、一緒に査定に出すのがおすすめです。古伊万里が箱の中に保管してあれば鑑定士に、より新品に近い状態と判断されやすくなります。
また、共箱に箱書き(作者のサイン)がある場合は、作品がどのような背景で造られたかを知る手がかりとなるため、歴史的価値がより高まります。「共箱に入っている古伊万里」だけでも高値で買取される場合もあるため、査定時にはセットで提示しましょう。
3.複数業者に査定依頼する
複数の買取業者に見積もりの依頼すれば、悪徳業者へ安い価格で売却するリスクを抑えられます。各業者で異なる評価基準や専門分野を持っているため、複数業者の査定額を比較し、納得のいく価格を提示してくれた業者に売却しましょう。
また、査定を依頼する際は、手数料や査定料がかからない業者を選ぶのが肝心です。さまざまな業者の視点からの査定を受けることで、古伊万里本来の価値に基づいた売却を実現できます。
4.古伊万里の専門知識を有する買取業者に見積もりを依頼する
古伊万里は骨董品の中でも査定には、専門的な知識が必要であるため、正しく価値を判断するのは容易ではありません。古伊万里に詳しい買取業者への依頼で、正確な価値評価が可能となります。古伊万里を高く売りたい場合は、専門業者へ依頼しましょう。
古伊万里の買取ならまねきや
古伊万里を売却する際は、専門知識を持った鑑定士がいる買取業者「まねきや」ぜひご依頼ください。まねきやでは、実績豊富な鑑定士が適正な査定を行い、古伊万里の種類や状態に応じた適切な額での買取を実現しています。丁寧な査定とお客さんに寄り添ったサービスが充実しているため、安心して古伊万里を売却できますよ。
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この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。