宝石サンゴは水深100m以上の深海に生息しているサンゴを加工して、宝石にしているものです。かつては古代エジプトで首飾りなどのアクセサリーに加工されており、サンゴ独特の色合いと輝きは世界中の人々に愛されています。サンゴは長い年月をかけて、まるで木の枝のように成長していきます。成長が止まったサンゴは微生物によって侵食されて、やがて枯れ木のようになっていきます。宝石に使用するサンゴは、赤色やピンク色が有名で、日本でも土佐や長崎の五島の近海から、モモイロサンゴが見つかったと言われています。特に赤色が濃く、まるで血の色のような深みのある赤色サンゴも人気が高く、近年では中国の経済成長にともなって需要が増加。取引価格もかなり値上がりしている希少な宝石に数えられています。すでに19世紀の末には地中海のサンゴ両刃は枯渇が見られるようになっていました。日本では江戸時代にサンゴの装飾品が一般へ出回り、かんざしや煙草入れ、帯締めといったさまざまなものに使われてきました。現在は、サンゴを保護するために漁獲量規制を取り入れている国も増え、日本でも禁漁区にサンゴの漁礁を沈めるなどの保護活動を行っています。