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500円札(岩倉具視)とは?見分け方や高く売るための注意点なども紹介

2024.02.29


古いお札で知られる500円札は、種類や状態によっては高く売れる可能性があります。大きく2種類に分けられ、どちらも岩倉具視の肖像が描かれているのが特徴です。
現在でも通貨として使用できますが、買い物に使うと損をしてしまう可能性があります。
この記事では、500円札の種類の見分け方や、高値で売るためのポイントを解説します。手もとの500円札の売却を検討している方は、ぜひご参考にしてください。

500円札とは?

500円札は、1951年(昭和26年)42日に発行が開始されました。そして、43年後の1994年(平成6年)41日に発行停止となっています。発行は停止されているものの、現在も旧紙幣として額面どおりに使用可能です。
一般の商店では使うのを嫌がられるケースもありますが、銀行などの金融機関へ持ち込めば、額面どおりの金額で現在の500円玉と交換できます。

岩倉具視とは?

岩倉具視は日本の偉人のうちの一人です。江戸時代後期の1825年(文政8年)、京都の下級公家である堀河家の次男として誕生しました。その後、岩倉家の養子となり、その際に岩倉具視と名付けられます。公家として成長した岩倉具視は、明治維新の中心的人物の一人として名を連ねました。また、岩倉使節団の一員としても知られています。
岩倉使節団は、不平等条約の改正をおもな目的の一つとして、欧米に派遣されました。当時、岩倉具視は、外務卿(現在の外務大臣)として活躍します。条約改正は成立しませんでしたが、岩倉使節団の活動は、日本の近代化に大きく貢献したとされています。

500円札は全部で4種類に分かれる

500円札には、大きく分けて新旧の2種類があります。大きな違いは一目見てわかるデザインです。1951年に発行が開始された旧500円札は1971年に発行が終了し、その1年以上前の1969年に新しいデザインの500円札が登場しました。
500円札は「B500円券(B号券)」、新500円札は「C500円券(C号券)」と呼ばれています。また、B500円券には3つのバリエーションが存在し、500円札は全部で4種類あります。
新旧の違いを見分けるポイントの一つは、透かしの位置です。表面の左側に透かしがあればC500円券、なければB500円券です。また、B500円券は全体を四角い枠で囲まれているデザインで、C500円券は両端が開放的なデザインになっています。
見た目ではわかりにくいものの、B500円券とC500円券では紙幣のサイズにも微妙な違いがあります。

  • B500円券:縦76mm、横156mm
  • C500円券:縦72mm、横159mm

C500円券のほうが、わずかに細長くなっています。

500円札の見分け方

500円札であるB500円券は、「最初期」「前期」「後期」の3種類があります。基本的に、現在手もとにある500円札がどの種類かを見分けるには、「記番号」を確認します。記番号とは、お札の左上と右下に印刷されているアルファベットと数字のことです。

  • 最初期:記番号の先頭が「A」や「B」のように1桁のアルファベットである
  • 前期:アルファベットが2桁で紙がクリーム色
  • 後期:アルファベットが2桁で紙が白色

前期と後期は記番号やデザインではなく、紙幣の色で区別します。
ただし、発行停止からの期間が長いため、変色している可能性があります。色の判別は慎重に行ないましょう。

高く売れる500円札の特徴

全部で4種類ある500円札のうち、高く売れるものには特徴があります。エラープリントや福耳付き、通し番号がすべて同じゾロ目やキリ番、AA券などが代表的な特徴です。

エラープリント

エラープリントは印刷時のミスです。具体的には、インク汚れやズレ、滲み、一部が印刷されていない、表裏で記番号が異なるなどがあります。
なお、500円札の発行が始まった当時、現在の独立行政法人国立印刷局は大蔵省外局の印刷庁でした。しかし、翌1952年には大蔵省印刷局となり、発行停止まで大蔵省印刷局で製造されています。
紙幣は印刷されたあと、市場に出回る前にチェックされ、エラープリントが発見されれば除外されるのが一般的です。しかし、まれにチェックもれで出回る紙幣もあります。そのため、希少性の高さから500円札のエラープリントも高く売れる可能性があるでしょう。

福耳付き

紙幣は、1枚単位で印刷されるわけではありません。大きな用紙にまとめて印刷され、あとで裁断して1枚の紙幣になります。その際にうまくカットされずに余分な紙が残ることがあり、この余分な部分が付いた角を「福耳」と呼びます。
市場に出回る福耳付きの500円札は多くありません。しかし、昔は技術が今よりも発展しておらず、裁断ミスが多かったことから、目にする機会があるかもしれません。発見したら高く売れるチャンスといえるでしょう。

通し番号がゾロ目やキリ番

記番号に特徴のある500円札も、高く売れる可能性があります。

  • トップ番号:「000001」など、最後の1桁が1である
  • ゾロ目:「777777」など、すべての桁の数字が同じ番号である
  • キリ番:「100000」など、区切りの番号である
  • 階段:「012345」など、数字が増える番号である
  • サンドイッチ番号:「355553」など、両端の数字が同じで、間に別の同じ数字を挟んでいる番号である

また、同じゾロ目でも特に人気の高い数字には、ラッキーセブンの7並びや、日本人には縁起が良いとされる末広がりの8並びなどがあります。

AA

AA券とは、記番号の先頭と最後尾がそれぞれ「A」の紙幣です。高く売れる理由は、最初に印刷・発行された500円札という点です。ただし、注意したいのは、先頭が「AA」の場合は「AA券」とは呼びません。Aから始まりZまで進むと次にAAが使用されるので、AAには最初という意味がないためです。
また、AA券のなかでもトップ番号やキリ番などは、市場に出回る数量が少なく、より高く売れる可能性があります。

500円札を売る際の注意点

ここでは、500円札を高く売るためにチェックしておきたいポイントや注意点を紹介します。

自分で汚れは落とさない

500円札を査定に出す際、汚れを感じても自分で取り除こうとするのは避けましょう。汚れたお札よりもきれいなもののほうが高額査定を狙いやすいかもしれませんが、デリケートなお札をきれいにするのは簡単ではありません。
うっかり汚れを広げたり、誤って破損したりしてしまうと、査定額を上げるどころか、逆に大幅に下がってしまう可能性があります。多少汚れていても、破れているよりは状態の良い500円札のほうが価値は高くなります。確実に取り除ける汚れ以外は、そのままにしておくことが大切です。

鑑定書とセットにする

手もとにある500円札が購入したものである場合、そのお札に「日本貨幣商協同組合」の鑑定書が付いていることがあります。鑑定書は、お札が本物であるかどうかを証明する有力な物的証拠です。買取時だけでなく再販時にも信用の裏付けとなり、高く売るために重要な役割を果たしてくれます。

経年劣化に気を付ける

500円札は時間の経過とともに傷んでしまいます。状態が悪くなるほど、高く売れる可能性が低くなってしまうので、できる限り良好な保存状態を維持することが大切です。
また、保存状態が良くても、長年の間に劣化してしまう可能性は避けられません。高く売りたい場合は、できるだけ早めに売却するのがおすすめです。

500円札を売る方法

ここでは、500円札を売る具体的な方法を紹介します。

専門の買取業者

最初の選択肢としておすすめなのが、専門の買取業者を利用する方法です。ただし、買取業者のなかには古いお札の買い取りに特化している業者だけでなく、専門知識を持っていない業者もあるので注意が必要です。
また、買取業者は古物商に該当しますが、金券ショップやブランド買取専門店、中古家電や中古家具をメインに扱っているリサイクルショップなどさまざまな種類があります。
高く買い取ってくれる買取業者を見つけるには、ホームページや口コミなどの情報も参考にしましょう。
なお専門の買取業者を利用する場合、自分で店舗や買取センターに持ち込んで査定してもらう「店頭買取」と、自宅まで査定に来てもらう「出張買取」から選べることがあります。
ただし、500円札は通貨として使用できる「お金」なので、現金書留以外の郵送や宅配はできないため注意が必要です。

オークションサイト

オークションサイトを利用すれば、スマートフォン1台で500円札を売ることができます。開始価格を低く設定することでユーザーの注目を集め、入札価格の上昇を狙えるかもしれません。
ただし、専門の買取業者が入札するわけではないため、相場よりも低い金額で終了してしまうおそれや、ユーザーとのやり取りで手間がかかる可能性もあります。商品写真や説明文が入札価格に影響する点にも注意が必要です。また、その場で代金が手に入るわけではないので、お金がすぐに必要な方には向きません。

フリマアプリ

フリマアプリも基本的にはオークションサイトと同じですが、競りではなく、早い者勝ちで取引成立となる点が異なります。価格を自分で設定するため、慎重に価値を判断しておかないと、安く売却してしまう可能性があります。

銀行(両替)

金融機関である銀行は、通貨として使える古いお札の両替に対応しています。冒頭でも述べたとおり、500円札なら500円玉と同じく、額面どおりの交換となるため金額の上乗せはできません。また、大量の古いお札を両替する場合や、一度に両替できる金額に制限がある場合もあるので、詳細は銀行に確認するようにしましょう。

まとめ

500円札には、明治時代の偉人である岩倉具視の肖像が描かれているのが特徴です。大まかに2種類に分類され、さらに4種類に細かく分かれます。
また、高値で取引される500円札は、エラープリントや福耳付き、ゾロ目やキリ番、AA券などの特徴があります。これらのお札を発見したら、注意深く保管して早めに売却を検討しましょう。
500円札を正しい価値で売却するためには、専門の買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。
 

この記事の監修者

水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長

高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士

今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。 「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。