エルメスのルーツは馬具工房？バーキン誕生秘話も紹介！【意外と知らない基本のキ】

憧憬の的であるブランドの代表格、エルメス。ではなぜそこまで心を掴みラグジュアリーな地位を確立するに至ったのか。今回は、そんなエルメスの基本のキについて紹介いたします。

エルメスの人気なアイテムは？

エルメスは、有名なバッグの「バーキン」であったり、スカーフの「カレ」、ブレスレットでおなじみの「シェーヌ・ダンクル」など、他にも多数名作揃いです。
それではそれぞれ簡単な情報とともにお伝えしていきます。

その前にエルメスの基本情報をおさらい！

エルメスは、1837年フランス・パリでティエリ・エルメスによって創業されました。当時は、小さな馬具工房だったとのことです。激しい動きに耐えうる馬具の精密さと、洗練されたデザインで人気を博しました。

この馬具工房での制作技術が、今日におけるエルメスによるバッグの作りのルーツとされています。

二代目エミール・エルメスの娘の結婚相手であるロベール・デュマが代表を引き継ぎます。ロベール・デュマは建築家であったこともあり、豊かなインスピレーションのもとエルメスをさらに押し上げていきます。
そうして技術に加えて構造的なデザインの下地が出来上がりました。現在も日々アップデートをし続けています。

愛好家には、エリザベス女王やココ・シャネルなど歴史的にも有名な人々も多数。そしてラグジュアリーなブランドとしての地位を築くに至りました。

ジェーン・バーキンのために製作された「バーキン」の誕生

ロベール・デュマの息子にあたるジャン＝ルイ・デュマがエルメスを引き継ぎます。彼は、時計や靴などの製造技術を学びます。そして商品の幅を広げ、ブランドの露出機会を増大させました。

1984年にジャン＝ルイ・デュマが、名俳優ジェーン・バーキンと出会いました。場所はパリとロンドンを行き来する航空機内。彼女は、愛用するバスケットバッグを頭上にある機内のコンパートメントに入れる際、荷物があふれ出てしまいました。
そこにジャン＝ルイ・デュマが居合わせました。彼女は「母親になった自分のニーズを満たすおしゃれなバッグがない」と相談を持ちかけます。それから2人は理想のバッグについて語り合ったそうです。

ジャン＝ルイ・デュマは座席のエチケット袋の裏に、バッグの構想を描き出しました。のちにこれが「バーキン」に。

「バーキン」のなかでも雄の子牛革を使った”ヴォー・クリスペ・トゴ”が人気です。班が深く、ラグジュアリーな革の質感を存分に感じられます。ほどよい柔らかさと、キズや擦れに対する丈夫さも人気の理由です。他にも、カラーリングや素材が豊富なことも人気の理由です。

“船の錨”を意味する「シェーヌ・ダンクル」

鎖の連なりのようなデザインが特徴的な「シェーヌ・ダンクル」。ロベール・デュマが船の鎖からインスピレーションを受けたと言われています。
ブレスレットのイメージが強いですが、リングやピアス、他にもスカーフ留めにも「シェーヌ・ダンクル」のデザインを使ったアイテムが数多く存在します。素材もシルバーやゴールドなど多種多様です。

また、連なる鎖は”固く結ばれた絆”を想起させ、ウエディングシーンでも人気があります。
さりげなくも存在感のあるフォルムは、ファッション性が高いことも人気の一つです。シンプルなスタイリングにも着けるだけでおしゃれに昇華してくれます。

1937年に登場したスカーフ「カレ」

「カレ」とはフランス語で”正方形”を意味します。カレのおよそ70%は90cm四方とされています。これは最初に発表された寸法を踏襲しているとのこと。
最初は、当時人気だったボードゲーム『オムニバスと白い貴婦人のゲーム』を題材としました。そこから今日に至るまでデザインは約1500種類ほどにも。
「カレ」は、シルク布を熟練の職人が一枚一枚染めていきます。色ごとに製版作業を進めるため、多くの時間と手間がかかります。気の遠くなるような作業は他にも数多く、1枚の「カレ」を製作するために数100時間かかることも。こうして最高級の品質を追求した「カレ」は、豊かな発色で唯一無二の存在となっているのです。