「自宅の壺が高く売れるか知りたい」
「壺を少しでも高く売るにはどうしたらいい?」
このような壺の買取の悩みを解消するために、この記事では高く売れる壺の特徴を解説します。
高く売れる壺の特徴を知らないと、査定せずに処分してしまったり本来の価値よりも安く売ってしまうリスクがあります。
手放したことを後悔しないよう、本記事で高く売れる壺の特徴に当てはまるかチェックしましょう。他にも中古市場で人気の産地、壺を少しでも高く売るコツも解説するため参考にしてください。
高価買取される壺の特徴とは
高価買取される壺の特徴は、次のように複数の要素から総合的に判断されます。
- 有名作家の作品
- 歴史的価値のある壺
- 保存状態が良好な壺
- 希少性の高い壺
- 鑑定書や共箱がある壺
壺の査定額には生産地や作家の人気も買取価格に深く関係しています。この章を読めば、高く売れやすい壺なのか判断するポイントがわかるため、査定前にぜひチェックしておきましょう。
1.有名作家の作品
有名な陶芸家の作品は、骨董品コレクターの間で人気があるため高値が付きます。
代表的な作家には、次のような人物がいます。
- 徳田八十吉(とくだやそきち)
- 井上萬二(いのうえまんじ)
- 河井寛次郎(かわいかんじろう)
- 金城次郎(きんじょうじろう)
- ドーム
- エミール・ガレ
人間国宝に認定されている陶芸家や、人間国宝を辞退したものの人気が高い河井寛次郎などは高価買取が期待できます。他にも海外の有名陶芸家の壺も注目されており、高価買取のチャンスがあります。
有名作家の壺は、底や共箱に署名や落款(らっかん)が押されています。手元の壺に作家のサインがないか調べておきましょう。
ただし有名作家の壺は高値で取引されるため、壺の形や落款まで似せた精巧な偽物も多く流通しています。
そこで本物か見極めるには、壺などの骨董品鑑定士のプロによる査定を受けましょう。
2.歴史的価値のある壺
古い時代に作られた壺は、現存数が少なく希少価値が高いため高価買取されます。特に歴史的価値の高い壺は、その貴重さから高値で取引されます。
壺は時代の生活に合わせたデザイン、製法が採用され、それぞれに異なる魅力がありコレクター需要が高いアイテムです。
たとえば中国の唐時代(618~907年)の三彩壺は、ベースの白地に緑色、褐色の釉薬を使った、カラフルなデザインが唐時代の繁栄を象徴しています。場合によっては100万円以上の値打ちがつく可能性があります。日本の縄文土器、弥生土器など数千年前の歴史ある壺も、当時の文化に興味があるコレクターにとって希少な美術品です。
3.保存状態が良好な壺
ひび割れや欠けがない良好な状態の壺は見た目の評価が高く、買取価格に上乗せされる場合があります。壺は陶器のため、保存期間が長いほど割れや欠けなどが起こりやすいため、劣化していない歴史ある壺はそれだけで一定の価値があるためです。
保存状態がよい壺とは次のような状態を指します。
- ひび割れがない
- 欠けていない
- パーツが紛失していない
- 変色(退色)がなく発色がきれい
そこで壺を外からのほこりや乾燥から守るために箱に入れたり、風呂敷で包んだりしましょう。
原材料の土は吸水性があり湿気を吸い込むと壺が膨張してしまうため、保管場所は風通しのよい場所がおすすめです。ひび割れや欠けがあると置いている間は問題なくとも、輸送時のわずかな衝撃で割れれば壺の価値が一気に下がります。ひび割れしないよう、保管場所や取り扱いに気をつけてください。
4.希少性の高い壺
市場に出回る数が少ない壺は、コレクター需要が高いため高価買取が期待できます。
壺は時代、産地によって生産数が異なり、現代ではほとんど残っていないレアなアイテムも多数存在します。
たとえば中国の清朝時代(1644〜1912年)に作られた壺は、白地に鮮やかな草花を絵付けした芸術性の高さで人気を誇る一方、100年以上経過した現代まで残った壺は少数です。
国内では15世紀の室町時代に、細長い紐状の粘土を巻いて壺にした鳥文壺など、当時の技法で作られた壺などは高い希少性が認められます。
このような希少性の高い壺を見分けるには、壺の知識が豊富なプロの鑑定士に査定を依頼しましょう。
5.鑑定書や共箱がある壺
壺の価値を証明する鑑定書や、オリジナルの共箱(作家が署名した箱)があると、壺単品よりも買取価格が上昇します。
壺に製造時期や作家名がないと、産地や作家を判断できず壺の状態のみで判断するため、本来よりも買取価格が下がる原因になります。本物だと証明できる箱やサインがある状態のほうが売れやすくなる分、買取行者も高く買い取る傾向があるのも事実です。
実際に越前焼のお歯黒壺が、単体だと1,000円程度なのに対し、共箱付きは20,000円の値で売却されたオークションもあります。付属品の有無は、それほど買取価格に影響が出る要素なのです。
壺が入っていた箱や風呂敷などの包みを査定後に見つけても後から査定には加えてもらえないため、査定前に探したうえでまとめて査定に出しましょう。
壺の有名産地「日本六古窯」とは
日本国内の壺の有名産地には、古くから生産が続いている6つの窯があります。この6つの壺の産地で作られた壺は知名度が高く、産地ごとに個性のある見た目が評価されているため、中古市場でも安定した人気があります。
6つの窯は「日本六古窯」と呼ばれ、平成27年には日本遺産に認定されました。
- 瀬戸焼(愛知県)
- 常滑焼(愛知県)
- 越前焼(福井県)
- 信楽焼(滋賀県)
- 丹波焼(兵庫県)
- 備前焼(岡山県)
ここでは日本六古窯の歴史やそれぞれの特徴を解説します。売りたい壺が、日本六古窯の壺か判断する参考にしてください。
1.瀬戸焼(愛知県)
画像引用:文化遺産オンライン
瀬戸焼は、愛知県瀬戸市で主に作られている焼き物です。なめらかな質感で白地に繊細な絵付けを施した、芸術性の高いデザインが特徴です。
瀬戸焼は青く発色するコバルト原料で絵付けした「瀬戸染付焼」と、コバルト原料以外の顔料や装飾で仕上げる「赤津焼(あかづやき)」の2種類があります。
発祥は古墳時代から鎌倉時代初期に、名古屋市東山丘陵で作られた「猿投窯(さなげよう)」で、そこから瀬戸市独自の技法、絵付けの瀬戸焼が生まれました。陶器を意味する「瀬戸物(せともの)」の呼び名は、この瀬戸焼が由来です。
瀬戸焼の買取相場の参考
種類 |
参考買取価格 |
瀬戸染付焼の壺 |
14,000〜130,000円前後 |
古瀬戸 |
4,000〜30,000円前後 |
2.常滑焼(愛知県)
画像引用:文化遺産オンライン
常滑焼は愛知県常滑市で作られる焼き物で、ザラザラした土の質感が残る素朴な風合いが特徴です。この赤みを帯びた見た目は、知床半島産の鉄分豊富な土が原料に使われているためです。
常滑焼はあえて、表面にかけてツヤや模様を出す釉薬を使わずに焼き上げる「焼締(やきしめ)」手法を取り入れています。
美術品よりも茶器や食器、壺など生活に密着した陶器が数多く作られてきました。
なお、壺はサイズが大きな「大壺」の制作が盛んで、調理具や水、食料の保存に活用されています。
常滑焼の買取相場の参考
種類 |
参考買取価格 |
常滑焼朱泥茶器 |
94,000〜98,000円前後 |
作者不明の壺 |
12,000〜30,000円前後 |
3.越前焼(福井県)
画像引用:文化遺産オンライン
越前焼は福井県越前町で作られる焼き物で、黄土色や灰色の素朴な見た目が特徴です。釉薬を使わない場合が多く、少しザラザラした風合いをしています。
原料の土は鉄分を多く含んだ赤みを帯びた色ですが、焼き上げると鉄分が熱で酸化し黒色に変わります。
越前焼は粒が細かく強い粘りを持った土で水漏れしづらい仕上がりから、水や酒、穀物を貯蔵する壺が多く作られてきました。
一時は生産数が減少したものの、昭和40年代に福井県の支援で「越前陶芸村」が建設され、越前焼の伝統技法が現代にも伝わっています。
越前焼の買取相場の参考
種類 |
参考買取価格 |
備前三耳壺 |
12,000~20,000円前後 |
古備前 |
20,000~60,000円前後 |
4.信楽焼(滋賀県)
画像引用:文化遺産オンライン
信楽焼は滋賀県甲賀市信楽町で生産される焼き物で、「火色(ひいろ)」と呼ばれる赤褐色の焼き上がりが特徴です。
あえて釉薬は使わずに、焼き上げている間、薪の灰が壺に降りかかった部分が溶けて液だれのような模様になる「自然釉(しぜんゆう)」の技法で作られています。
なお、信楽焼といえばたぬきの置物が有名ですが、これは1951年の昭和天皇が信楽に訪問したことがきっかけです。当時、信楽焼のたぬきに日の丸旗を持たせて、昭和天皇を歓迎したことから全国に知られました。
信楽焼の壺は傘立て用の大壺や、花瓶、漬物などの食品保存用まで幅広く生活に密着した品々が作られています。
信楽焼の買取相場の参考
種類 |
参考買取価格 |
古信楽 |
19,000〜67,000円前後 |
すだれ壺 |
8,000〜36,000円前後 |
5.丹波焼(兵庫県)
画像引用:文化遺産オンライン
丹波焼は、兵庫県篠山市今田で製造される焼き物です。ベースの色は素朴な土の茶褐色ですが、信楽焼と同様に自然釉で生み出される液だれのような模様が特徴です。
また丹波焼は、ヘラなどで表面を削って縦線を入れた「鎬(しのぎ)」模様を入れたデザインも多く存在します。
和洋どちらにも合うシンプルなデザインで、食器や壺など暮らしに密着した陶器として人気です。丹波焼の壺は花入れや水差し、酒瓶が主に作られ、サイズや形状も豊富に存在します。
丹波焼の買取相場の参考
種類 |
参考買取価格 |
市野信水 |
5,000〜6,000円前後 |
丹波立杭焼 |
2,000〜3,000円前後 |
6.備前焼(岡山県)
画像引用:文化遺産オンライン
備前焼は岡山県備前市の焼き物で、絵付けをしないシンプルな風合いをしています。
備前焼の特徴は、良質な「干寄せ(ひよせ)」と呼ばれる土を使い、頑丈に仕上げている点です。干寄せとは収穫が終わって水を抜いた田んぼの土で、水中に住む微生物と乾いた土地を好む微生物が繁殖した際に生まれる粘り気のある土です。
この干寄せで作った備前焼は約2週間かけて1,200度以上の高温で焼くため、頑丈で割れにくい特性があります。
強度が高いからこそ、強い摩擦を加えるすり鉢にも使われてきました。壺の場合は大容量の酒瓶、花器など大型の焼き物も多く作られています。
備前焼の買取相場の参考
種類 |
参考買取価格 |
古備前 |
12,000〜80,000円前後 |
人間国宝 藤原雄 |
26,000〜50,000円前後 |
少しでも壺を高価買取してもらうためには
ここからは、壺を少しでも高く売るために査定前に確かめたいポイントを紹介します。壺は有名作家や産地のアイテムであれば、売却価格が数十万円以上になる場合も考えられます。
しかし買取前にこれから紹介するポイントをチェックしておかなければ、買取価格がガクッと下がることも考えられます。
お手元の壺を高く売るチャンスを逃さないためにも、以下のポイントをおさえましょう。
- 付属品を揃える
- 保存状態をよくしておく
- 無理に自分で直そうとしない
なぜそれぞれの工夫が高価買取につながるのか、一つずつ理由とコツを詳しく解説します。
1.付属品を揃える
壺に付属する付属品は本物と証明する情報になるため、そろった状態で査定すると買取価格がアップします。
壺の付属品は、次の2つがあります。
- 作家の印が入った共箱
- 作家のサイン入りの証明書
これらの付属品があれば、たとえ壺自体に焼印がなくとも共箱や鑑定書から作家を特定できるため、買取額が高まりやすいです。また、共箱は割れやすい壺を安全に持ち運ぶ役割を担っているため、付属していると買取価格が高まる傾向があります。
なお、付属品がない壺単体の状態でも買取可能です。ただし付属品が揃った状態の壺と比較して、買取価格が下がるリスクもあると理解しておきましょう。
そこで壺の価値を高める方法として、査定前に鑑定書を発行する方法があります。壺の鑑定士から産地、作家を記した鑑定書を作ってもらえば、査定時にプラスになる可能性があります。
2.保存状態をよくしておく
査定前に壺をきれいに掃除し、汚れやほこりをできるだけ取り除くと買取価格が上がるチャンスがあります。なぜなら新品に近い状態の中古品であるほど、見た目の評価が高まり買取価格が上がりやすいためです。
保存状態のよい壺とは汚れやほこりが付いておらず、割れないように布や箱に保管されている状態を指します。
壺を売却する前に、やわらかい布やブラシを使って壺のほこりや汚れを掃除しましょう。特に内部はほこりが溜まりやすいため、箱で保管していても査定前に布で拭き上げるときれいになります。ただし、水に弱い壺もあるため、乾拭きがおすすめです。
また、壺は直射日光に長期間当たると変色してしまいます。他にも湿度が高い環境は、壺が湿気を吸い込んで膨張し、ひび割れを起こすリスクも高まります。そのため、売却予定の壺は直射日光を避けて、専用の共箱に入れるか風呂敷などの布で包んで湿気がたまらない状態にしておきましょう。
3.無理に自分で直そうとしない
壺の欠けや割れを自分で直すと価値が下がる原因になるため、無理な修繕は避けましょう。無理に壺を修繕すると、本来の風合いを損ねたとして価値が下がる原因です。壺が割れたり欠けたりした場合は、それ以上広がらないようにやわらかい布に包んで管理してください。
また、どうしてもひび割れや欠けが気になるのであれば、壺専門の修復士に依頼する方法もあります。ただし、修復士の技術で仕上がりが左右されるうえ、修繕費用が高額になる場合もあります。
損をしないためにも、先に壺の査定額を聞いたうえで修繕するか判断しましょう。
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この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
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