シャネルの「ニュートラベルライン」は、1999年に登場した旧トラベルラインのコンセプトを受け継ぎ、2000年代初頭に誕生したシリーズです。ナイロン特有の軽やかな素材感と、洗練された上品なデザインが特徴で、当時多くの女性を魅了しました。
近年では、ニュートラベルラインのクラシカルな雰囲気や、時代を超えて愛されるシンプルで上品なデザインが再び注目を集めています。とはいえ、現在はすでに生産・販売が終了しているため、「今更持つのは古いのではないか」「時代遅れかも」と気になる方もいるでしょう。
そこで本記事では、シャネルのニュートラベルラインが今なお人気の理由や、「時代遅れ」といわれる背景、旧トラベルラインとの違い、偽物の見分け方などについて詳しく解説します。また、中古品をできるだけ高く売る方法もご紹介しますので、売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
シャネルのニュートラベルラインとは
「ニュートラベルライン」は、2000年代初頭にシャネルから登場した、ナイロン素材を用いたカジュアルなシリーズです。
このシリーズは、軽量で扱いやすい素材のボディに、ブランドの象徴である「ココマーク」が控えめに織り込まれているのが特徴です。カジュアルでありながらも上品さも感じさせるデザインが魅力で、通勤・通学、旅行、日常使いなどさまざまなシーンで活躍してきました。また、軽量かつシンプルなデザインは多くの支持を集め、シャネルのシリーズのなかでも実用性とスタイリッシュさを両立している点が大きな特徴です。
発売当時は、「街を歩けば必ず目にする」といわれるほどの人気を誇っていましたが、2010年に生産終了となりました。そのため、現在はシャネルの店舗や公式オンラインショップでは入手できません。
シャネルのニュートラベルラインが人気の理由
すでに廃盤となっているニュートラベルラインですが、近年になってじわじわと人気が再燃しています。そこで、なぜ今このシリーズが注目されているのか、その理由を見ていきます。
1.軽量で機能的な素材
シャネルのニュートラベルラインが人気を集めている理由の一つは、軽量で機能的な素材を採用している点です。
多くの方はシャネルと聞くと、レザー素材を用いた高級感のあるアイテムをイメージするかもしれません。しかし、このシリーズでは、非常に軽くて丈夫なナイロンやキャンバス素材が使われており、日常的に使いやすいデザインになっています。
ナイロン素材は汚れや水にも比較的強く、通勤や買い物など、さまざまな日常シーンで安心して使用できます。特に、トートバッグやボストンバッグはマチが広く取られているため、荷物をしっかり収納できるのが特徴です。その収納力の高さから、実用性とファッション性の両立を求める方々に支持されました。
2.シンプルなのに高級感があるデザイン
シンプルでありながら高級感のあるデザインも、ニュートラベルラインが人気を集める理由の一つです。
ニュートラベルラインには、シャネルを象徴するココマークが控えめにデザインされています。そのため、ナイロン素材のカジュアルな印象のなかにも上質な雰囲気が漂います。派手すぎず、さりげなくシャネルらしさを演出できるため、大人の女性の通勤・旅行用バッグとして高い支持を得ているのが特徴です。
また、流行に左右されにくいミニマルなスタイルも、長く愛される理由の一つです。バッグの形やカラーバリエーション、サイズも豊富にそろっているので、好みやライフスタイルに合ったアイテムを見つけやすい点も、このシリーズの大きな魅力といえるでしょう。
3.当時のトレンド感と入手しやすさ
ニュートラベルラインが登場した当初は、控えめなロゴとシンプルなデザインが当時のファッショントレンドと見事にマッチしていました。そのため、多くのセレブが愛用し、ファッション誌でもたびたび紹介されていました。こうした背景から、世代を問わず幅広い層に支持されたのです。
また、シャネルのほかのラインナップと比較すると、手に取りやすい価格帯だったことも、このシリーズが大ヒットした理由の一つです。通勤用バッグとしてはもちろん、通学用として愛用する大学生の姿もよく見られました。
最近では、シャネル製品全体の中古価格が年々上昇しています。しかし、そのなかでもニュートラベルラインは比較的価格が抑えられているぶん手が届きやすいのが魅力で、今なお新たなファンを獲得し続けています。
シャネルのニュートラベルラインが今更時代遅れといわれる理由
一部の方々の間では、ニュートラベルラインについて「もう古い」「今更持つのはダサい」といった声もあります。「デザインは好きだけれど、時代遅れと思われたくない」と感じて、購入をためらう方もいるかもしれません。
こうした「時代遅れ」という声が出る背景には、ファッション業界のトレンドが変化していることが影響していると考えられます。
現在のハイブランドの世界では、レザーやメタリックの素材を使った存在感のあるデザインや、大きなロゴが目立つインパクト重視のデザインが主流です。そのため、ナイロン素材でシャネルの主張が控えめなニュートラベルラインを、「今のトレンドに合わない」「おとなしい印象」と感じる方もいるようです。
また、ニュートラベルラインは登場から20年以上が経ち、すでに生産が終了しているシリーズであることも、時代遅れと見なされる理由の一つだと考えられるでしょう。
シャネルのニュートラベルラインは今中古市場でも人気?
トレンドに敏感な層を中心に「今更時代遅れ」といわれることもあるニュートラベルラインですが、実際には今でも中古市場で根強い人気を保っています。
すでに廃盤となり入手困難であることから、希少性が高まっていることに加え、ヴィンテージ感のあるデザインに魅力を感じる方も多いようです。そのため、ニュートラベルラインは今も高い需要があります。さらに、トレンドに敏感な海外のセレブやインフルエンサーたちが、昔のシャネルのアイテムを積極的に愛用していることも、このシリーズの評価が見直されている要因の一つといえるでしょう。
特に使い勝手の良いトートバッグやチェーンショルダーバッグは人気が高く、状態が良いものは高値で取引されることも珍しくありません。また、希少なカラーや限定モデルを求めるコレクターからも注目されています。
シャネルのニュートラベルラインと旧トラベルラインの違い
前述のとおり、シャネルのニュートラベルラインには、1999年に登場したトラベルラインという前身があります。一部では、ニュートラベルラインと区別するために「旧トラベルライン」と呼ばれることもあります。
どちらのシリーズもナイロン製である点は共通していますが、ニュートラベルラインには、ナイロン糸をジャガード織りにした「ナイロンジャガード素材」が採用されているのが特徴です。また、ニュートラベルラインには、さりげなくココマークがちりばめられています。一方、旧トラベルラインにはココマークが使われておらず、全体的に控えめでシャネルらしさをあまり主張しないデザインになっています。
ここでは、バッグの種類ごとに両シリーズの違いを詳しく解説します。
1.トートバッグ
旧トラベルラインのトートバッグは扱いやすいナイロン製ですが、素材感や型崩れしやすい点がデメリットでした。これに対して、ニュートラベルラインのトートバッグは芯材を使用し、縫製にも工夫を加えているため形が崩れにくく、よりしっかりとした作りになっているのが特徴です。
また、カラーバリエーションにも違いがあります。旧トラベルラインはブラックのみの1色展開でしたが、ニュートラベルラインではブラックに加えて、ベージュやピンク、ブルー、イエローなど、豊富なカラーがそろっています。そのため、よりファッショナブルな印象を与えるでしょう。
さらに、ポケットの数が増えたことで収納力が高まり、実用性も向上しています。
2.ボストンバッグ
旧トラベルラインのボストンバッグも、一定のサイズバリエーションは展開されていましたが、ニュートラベルラインでは、より幅広いサイズ展開がなされ、用途に応じた選びやすさが向上しました。コンパクトなものから大きめサイズまで幅広くラインナップされ、使うシーンや好みに合わせて最適なサイズを選べるようになっています。例えば、ミニサイズはコンパクトながら長財布がしっかり入るため、近場への外出に最適です。
旅行用バッグとしての評価も高いままで、今でも多くの方に支持され、根強い人気があります。
3.チェーンショルダーバッグ
旧トラベルラインには、シャネルを代表するチェーンショルダーバッグの展開はありませんでした。一方、ニュートラベルラインでは、「Wチェーンショルダーバッグ」と「チョコバーチェーンショルダー」が新たに登場しています。
Wチェーンショルダーバッグは、ニュートラベルラインらしいカジュアルな雰囲気とラグジュアリーなWチェーンで、シャネルらしいエレガントさを感じさせるデザインです。チョコバーチェーンショルダーは、板チョコのようなステッチが特徴で、シンプルながらも印象的なアイテムとなっています。ブラックなど落ち着いた色を選べば、フォーマルなシーンでも活躍します。
どちらのバッグも軽くて丈夫なので、日常使いにもおすすめです。
4.バニティバッグ
旧トラベルラインにはありませんでしたが、ニュートラベルラインで新たに登場したのが、上品さと実用性を兼ね備えたバニティバッグです。
広めのマチと半円形に大きく開閉できるファスナーにより、見た目以上の収納できるのが魅力です。荷物の出し入れもしやすく、日常使いにも適しています。
さらに、内側にはポケットやミラーが備えられており、メイクポーチとしても使えます。使い勝手の良さとシャネルらしいエレガンスを併せ持つアイテムとして、現在も中古市場で高い人気を集めています。
シャネルのニュートラベルラインの偽物の見分け方
ニュートラベルラインは、かつて爆発的に人気を集めたシリーズだったこともあり、現在でも多くの偽物が市場に出回っています。中古品を購入する際には、偽物と本物を見分けるポイントを知っておくことが重要です。
ここからは、偽物を見分ける方法をご紹介します。
1.タグやシリアルナンバーを確認する
偽物を見分けるためには、まずタグやシリアルナンバーをチェックしましょう。
偽物の多くにもタグは付いていますが、よく見るとタグが雑に縫い付けられていたり、文字が鮮明でなかったりするケースが目立ちます。加えて、ニュートラベルラインを含む本物のシャネル製品には、内側にシリアルナンバーが記載されたシリアルシールが貼られています。偽物の場合、このシールが付いていなかったり、簡単に剥がれてしまったりすることが多いので注意が必要です。本物のシールは、無理に剥がそうとしても簡単には取れず、もし剥がれても跡が残ります。
また、本物には、製造年を示すシリアルナンバーが記載されたギャランティカードも付属しています。偽物にも付いていることがありますが、書体に違和感があったり、印刷が雑だったりすることが多いため、しっかり確認しましょう。
最後に、シリアルシールとギャランティカードのシリアルナンバーが一致しているかどうかも必ずチェックしてください。
2.ステッチや素材の質をチェック
偽物を見分けるためには、ステッチや素材の質をしっかり確認することが大切です。
本物のニュートラベルラインは、縫製が非常に丁寧で、縫い目にがたつきはありません。また、ステッチの幅やピッチ(針の間隔)も均一にそろっています。一方で、偽物の場合は縫製が歪んでいたり、ほつれがあったりしがちです。また、ステッチの幅やピッチが不ぞろいで、全体的に雑な仕上がりになっていることがよくあります。
さらに、偽物は素材自体も安価なものが使用されており、手触りや光沢感が本物よりも劣ります。ココマークや全体のデザインが、本物に比べて不鮮明な仕上がりになっている点も見分けるポイントです。
3.金具の質感・刻印を確認
金具の質感やロゴの刻印を確認することは、偽物かどうかを見分けるうえで重要なポイントです。
本物のシャネルのバッグでは、金具に上品なツヤと重厚感があり、ロゴの刻印も細部までくっきりとしています。一方、偽物は金具が軽く、光沢が強すぎて安っぽく見えることが多いのが特徴です。また、刻印が薄かったり、位置がずれていたりするものもあります。
さらに、金具にネジが使われている場合は注意が必要です。本物にはマイナスネジが使用されていますが、偽物ではプラスネジが使われていたり、ネジ穴が雑に開けられていたりするケースがよくあります。ただし、金具部分の素材によっては本物でもプラスネジが使われている場合があるため、この点も必ずチェックしましょう。
目立つ部分だけでなく、ファスナーやスナップボタンの裏側など、細かい部分までしっかりと確認することが大切です。
シャネルのニュートラベルラインを少しでも高く売る方法
現在でも高い人気を誇るニュートラベルラインは、中古市場でも高値で取引されている商品が多く見られます。もしご自宅に使用しなくなったアイテムがある場合は、中古買取に出すのも一つの方法です。
ここからは、ニュートラベルラインを少しでも高く売るためのコツを解説します。
1.状態を整えてから査定に出す
少しでも高値で買い取ってもらうためには、査定前にバッグの状態をきちんと整えておくことが重要です。
ニュートラベルラインに使用されているナイロン素材は、丈夫である一方で汚れやすい性質があります。特に普段からよく使っていた場合は、汚れが目立ちやすくなるでしょう。しかし、軽くクリーニングするだけでも見た目の印象が良くなり、査定で高評価につながる可能性が高まります。
また、バッグの内部にたまったゴミやほこりを取り除き、きれいにしておくことも大切です。ファスナーなどの金具も問題なく動くかどうか、事前に確認しておくと安心です。
ただし、状態が悪いからといって修理に出すのはおすすめできません。なぜなら、修理費用が買取価格を上回ってしまい、結果的に損をしてしまうことがあるためです。
2.付属品をそろえておく
ニュートラベルラインを少しでも高く売るためには、購入時に付いていた付属品をそろえておくことが大切です。
例えば、ギャランティカードや保存袋、箱など、手もとに残っているものがあれば、査定の際に一緒に持ち込みましょう。特にギャランティカードがあると、真贋鑑定がスムーズに進みやすく、その分、査定評価が高くなる傾向があります。
また、ボストンバッグに付属していたショルダーストラップやチャーム、ポーチなどのオプション品も忘れずにそろえておきましょう。シャネルをはじめとするブランド品の買い取りでは、「完品状態」かどうかによって買取価格が大きく変わってくるためです。
3.複数の買取業者に相見積もりを取る
できるだけ高くニュートラベルラインを買い取ってもらうには、複数の買取業者に見積もりを依頼するのが重要です。
同じアイテムでも、業者ごとに買取価格が大きく変動する場合があります。1店舗だけで判断するのではなく、複数の業者の見積もりを比較することで、より高額で売却できる可能性が高まるでしょう。
ブランド品を扱う買取業者は数多く存在しますが、特にブランドバッグに強い業者や、シャネル専門の査定士が在籍している業者を選ぶと、高額査定が期待できます。
また、査定にかかる時間や手間を省きたい場合は、出張査定やLINE査定などに対応している業者を利用するのも良い方法です。
シャネルのニュートラベルラインを売るならまねきやがおすすめ
シャネルのニュートラベルラインは、生産終了から年月が経過しているにもかかわらず、その実用性やデザイン性、そして希少性の高さから再び注目を集めています。そのため、中古市場でも高い需要があります。もしご自宅に使わなくなったアイテムがある場合は、この機会に売却を検討してみてはいかがでしょうか。
「まねきや」は、シャネルをはじめとするハイブランドの買い取りに特化しており、ニュートラベルラインの高価買取でも豊富な実績があります。経験豊かな専門スタッフが、商品のモデルや状態、流通状況などしっかりと確認し、大切なブランドバッグを丁寧に査定します。また、宅配・出張・店舗・LINE査定のなかからご都合に合わせて売却方法を選べるのも魅力です。
「まずは相場を知りたい」「いくらくらいになるのか気になる」といったご相談にも柔軟に対応しています。売却を迷っている方も、どうぞお気軽にカスタマーサポートまでお問い合わせください。

この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。