近年オールドレンズを使った撮影を楽しむ人が増えています。フィルムカメラが主流だった時代のレトロな写真が撮れるオールドレンズは、写真愛好家の間でも根強い人気を誇ります。
本記事ではオールドレンズの特徴を、メリットやデメリットとともに解説します。また中古市場でも人気のオールドレンズの種類も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
オールドレンズとは
オールドレンズとは、主にフィルムカメラ時代に製造された古いレンズです。現在主流のデジタルカメラとは異なり、撮った写真が保存されたフィルムを現像して写真を出力します。
デジタルカメラに慣れている世代からすると、フィルムカメラは面倒なイメージがある一方、独特の描写やカラー表現、画像の粗さといった、現代の鮮明に撮影できるカメラとは違った魅力があります。
同じフィルムカメラでも、レンズを変えるとさらに現像した時の仕上がりが変わります。価格も比較的手頃なため、新品のレンズよりも挑戦しやすいのもオールドレンズの魅力です。
また、オールドレンズはデジタルカメラよりも長い歴史があります。数十年にわたって作られてきた、オールドレンズはバリエーション豊富なため、自分好みのレンズを探す楽しみも味わえるでしょう。
フィルムカメラや使い捨てカメラでの撮影を楽しむ若い世代も増えており、オールドカメラが再び脚光を浴びています。
オールドレンズのメリット
オールドレンズを使った撮影のメリットは、現代のデジタルカメラ用に作られたものとは違った仕上がりや操作性です。ほかの人とは違った個性ある写真を撮りたい方や、独特のレトロ感を楽しみたい方の増加にともない、オールドレンズの需要も高まっています。
1.独特な描写力
オールドレンズは、現代のレンズとは違った独特な描写力を備えています。なぜならオールドレンズの多くはデジタルカメラとは異なり、単焦点レンズが採用されているためです。
単焦点レンズには、以下の特徴があります。
- 古い製造技術や設計によるソフトなボケ味
- オールドカメラ特有のフレア
- コントラストの低さ
オールドレンズで撮影すると、通常のデジタルカメラとは一味違う独自の雰囲気の写真に仕上がります。
2.コストパフォーマンスの良さ
現行の高性能なレンズと比べて比較的安価で手に入ることも、オールドレンズが人気の理由です。オールドレンズは1万円程度で購入できるものも多く、手軽にオリジナリティのある写真を撮影できます。
現代のデジタルカメラ用のレンズは数万円から数十万円かかるため、最新式のレンズと比較するとコストパフォーマンスも抜群です。デジタルカメラ用のレンズではできない、オールドレンズならではのレトロな仕上がりを叶えられるところも魅力です。
3.手作り感のある操作性
オールドレンズは、機械式の操作感やマニュアルフォーカスのしやすさが特徴の一つです。現代のデジタルカメラは、焦点セットや光量調整が自動ですが、オールドレンズは自身で細かい設定をおこなう必要があります。これにより、好みの写真を作っていく手作り感を味わえるのが魅力です。写真撮影そのものの知識を深めたい方や、自分の個性を前面に出した写真を撮りたい方にとって、オールドレンズは特におすすめのアイテムです。
4.豊富な選択肢
オールドレンズは多種多様なブランドやモデルが存在し、選択肢が非常に豊富です。オールドレンズの種類によって同じ被写体でも写りが大きく変わるため、撮影の楽しみが増えるでしょう。また好きなモデルをコレクションしたり、今では希少な種類をコレクションしたりと、集める楽しみも魅力の一つになるでしょう。
オールドレンズは海外で作られた種類もたくさんあります。レンズの種類が豊富であり、自分好みのオールドレンズ探しを楽しむ方も多いです。
またオールドレンズは撮影に手間暇がかかるため、試行錯誤して理想の写真を撮影する楽しみも感じられるでしょう。
オールドレンズのデメリット
最近注目を浴びているオールドレンズには、いくつかのデメリットも存在します。メリットだけでなくデメリットを知ったうえで、オールドレンズを使うかどうかを判断しましょう。なかでも知っておくべきオールドレンズのデメリットを4つのポイントに絞って紹介します。
1.現代のカメラとの互換性が低い
オールドレンズは現代のカメラボディと組み合わせて使用できない種類がほとんどです。なぜなら現代のカメラはデジタルカメラであり、フィルムカメラ用に作られたオールドレンズとは互換性がないためです。
特にオールドレンズをそのまま取り付けただけでは、オートフォーカスや自動絞りなどの機能が使えない場合があります。
オールドレンズを使うには、専用のアダプターが必要で、レンズ以外の道具の用意が必要だと覚えておきましょう。
カメラメーカーによってアダプターの規格は異なります。カメラボディとの相性次第では、アダプターを取り付けても使用できないケースもあるため注意しましょう。
また、オールドレンズは現代のカメラのようなオートフォーカスには対応していません。操作によってピントを合わせる必要があるため、カメラ初心者など操作に慣れていない人にはハードルが高いでしょう。
なお、ピントを合わせる手間がかかるため、車などの動きが早い被写体の撮影には向いていません。
2.光学性能の劣化
オールドレンズには経年劣化による、光学性能の低下が見られることがあります。光学性能とは写真を鮮明に、明るく写すための性能です。コーティングの剥がれ、カビなどによる劣化でレンズ自体が曇ってしまうと、画質に影響を与える場合があります。
特にオールドレンズは逆光での撮影や高コントラストのシーンで劣化の影響がみられやすく、写真がぼやけたり暗くなったりと、明暗のコントラストがはっきり出ないケースがあります。
コントラストが低いと写真にシャープさがなくなり、メリハリがないモヤっとした写真になりやすいです。
たしかにモヤっとした仕上がりの写真も魅力がある場合もあります。しかし、被写体を目立たせたい場合や、背景のボケ味を強調させたい場合、光学性能の劣化がひどいと意図した通りに撮影できません。
このように、光学性能の劣化していると思った写真が取れない点がオールドレンズの大きなデメリットです。
3.メンテナンスの難しさ
オールドレンズは、製造された時代の技術に基づいて作られているため、自身でメンテナンスできない可能性が高いです。
もし大がかりな修理が必要になった際には、オールドレンズ専門の修理業者を探さなければいけません。また修理業者が見つかったとしても、壊れた部分のパーツの替えがあるとは限りません。
さらに、オールドレンズは修理やメンテナンスの情報も少なく、自分で分解して清掃しようにも、具体的なやり方がわからないケースも大いに考えられます。破損すると修理も難しいため、メンテナンスも一苦労です。
4.重さとサイズの問題
オールドレンズは現代のレンズに比べて重く、サイズが大きい場合があります。特に大口径のオールドレンズは鉄製でできている種類も多く、ずっしりとしています。金属製のボディだからこそ、長時間の撮影や持ち運びにはやや不便さを感じられることでしょう。特に女性が使用する場合、持ち歩くのにも苦労します。
また、サイズが大きいとほかのレンズの収納スペースを圧迫したり、レンズの複数携帯が困難だったりといった問題も生じます。
一方、このずっしり感こそが、オールドレンズの魅力ととらえる人もいます。携帯性が多少悪くても、オールドレンズならではの良さと考えて愛用できる方には、オールドレンズが向いているでしょう。
オールドレンズの種類
オールドレンズはブランドや焦点距離、絞り値などで大きく4つに分類されます。
- 50㎜標準レンズ
- 一眼レフ用レンズ
- レンジファインダーカメラ用レンズ
- シネレンズ
一般的な50mm標準レンズは、被写体を映した時が人間に近い視覚だと言われているレンズです。ほかにも一眼レフ用に作られたオールドレンズや、映画用のシネレンズがあります。
また、レンジファインダーカメラは1950年代頃に主流だったレンズで、ドイツのブランド「Leica」などに採用されていました。当時はカメラが高級品として扱われ、一つひとつ職人の手によって丁寧な仕上げがなされていました。大量生産されていないため希少価値が高く、現在でも中古市場では高値で取引されています。
オールドレンズの人気の5種類
この項では、数あるオールドレンズの中でも特に人気の5種類を解説します。これらはその人気から、現在では高価買取も期待できる機種です。過去に購入したオールドレンズの中に該当する種類がないか、調べてみてはいかがでしょうか。
1.Helios 44-2 58mm f/2(ヘリオス44−2 58ミリメートルソニーE NEX用F2ロシアレンズ)
Helios 44-2 58mm f/2は、1970~1990年代にソビエト連邦時代に製造されたオールドレンズで、独特のスワールボケが特徴です。やわらかいボケ感だけでなく、渦巻状に背景がボケる「ぐるぐるボケ」と呼ばれる独特の癖が生まれる写真は、ポートレート撮影やアート系の写真に人気があります。
また、最近ではInstagramに投稿する写真用に、Helios 44-2 58mm f/2を使う写真愛好家が増えたことで、人気が高まりました。
独特の色合いにより生み出される唯一無二の仕上がりは、個性を演出したい人にもおすすめです。Instagramで話題になって価値が高まっているものの、まだ中古市場では手頃な価格帯です。マウントアダプターとセットで購入すれば、すぐに使用できます。
また、注目が高まっている今が、高く売れるチャンスです。
昔購入して使っていないHelios 44-2 58mm f/2があれば、需要が高まっている今、売却を検討してみてはいかがでしょうか。
2.Canon FD 50mm f/1.4
Canon FD 50mm f/1.4は、1970年代から1980年代にかけて製造されたオールドレンズです。明るくシャープな描写が特徴で、鮮やかな色表現が可能です。オールドレンズといえばボケ味やレトロな色調が特徴的ですが、Canon FD 50mm f/1.4はくっきりした仕上がりが魅力です。ポートレートや風景撮影に最適で、色合いは鮮やかでも優しさを感じられる風合いの写真を楽しめます。
手頃な価格ながら高性能なため、ビンテージレンズとして非常に人気が高いです。
3.Minolta Rokkor 58mm f/1.2
Minolta Rokkor 58mm f/1.2は、1968年に発売された標準レンズです。F値1.2の大口径が特徴で、開放絞りによって明るい写真に仕上げられます。通称「鷹の目ロッコール」と呼ばれており、絞りを効かせるほどシャープな仕上がりに変わります。
独特の色再現と、コントラストが高いことにより、ポートレート撮影者を中心に人気があります。ヴィンテージ感のある外観も支持されているポイントで、コレクター人気も高い逸品です。
4.Pentax SMC Takumar 35mm f/2
Pentax SMC Takumar 35mm f/2は、1960年代に登場したオールドレンズで、優れた光学性能と耐久性が評価されています。
前期型、後期型と呼び分けられており、前期型は最小絞りがF22まである一方、後期型はF16までと数値に違いがあります。
このレンズは、多層コーティングが施されている点が特徴の一つです。フレアやゴーストを抑えつつ、クリアでシャープな写真を撮影できます。広角の画角と美しいボケ味から、風景やスナップ撮影で特に人気があるオールドレンズです。
また、オールドレンズながら軽量で、携帯性に優れているところも魅力です。約152gと、小型軽量化されたレンズは、ほかのレンズとともに携帯したい方や長時間撮影による手の疲労を軽減したい方にもおすすめです。
5.Zeiss Jena Biotar 75mm f/1.5(ビオター75ミリ)
Zeiss Jena Biotar 75mm f/1.5は1950年代、ドイツで製造されたオールドレンズです。アルミ鏡銅で作られており、フレア、ボケが強く、オールドレンズらしいレトロな写真が魅力です。
ぐるぐるボケが出やすく中心部はシャープに写るため、周りのボケ味が被写体をさらに際立たせた写真に仕上がります。その独特のボケ味と高い描写力で、多くのフォトグラファーの注目を集めています。
戦前に作られたオールドレンズと歴史的な価値も高いことから、コレクターズアイテムとしても人気がある種類です。
オールドレンズの買取ならまねきやがおすすめ
オールドレンズを手放す際には、専門の買取業者に依頼するのがおすすめです。レンズやレトロカメラの買取価格は、カメラ自体の価値だけでなく、現在の需要や供給など、さまざまな情報に左右されます。
まねきやでは、オールドレンズの価値を正確に評価し、公正な価格での買取を約束します。
鑑定実績が豊富なプロのスタッフがレンズの状態や希少性をしっかりと見極めて適正価格を提示するため、安心して査定をご依頼ください。
まねきやは出張買取、宅配買取も受け付けており、好みの方法で査定が可能です。また、店頭買取、出張買取ではその場での現金化にも対応しているため、すぐに手元に現金が必要な方にもおすすめです。
買取に関する問い合わせ、査定はLINEでも受け付けているため、気軽に申し込みください。
この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。