その名のとおり金で作られている「金貨」は、世界中にさまざまな種類があり、投資家や収集家の注目を集めています。
今回は、金貨の種類を解説したうえで、日本や世界で取引されている有名な金貨を22種類紹介します。
日本で発行された金貨 |
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世界で発行された金貨 |
地金型金貨
収集型金貨
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金貨とは
金貨は、おもに金(ゴールド)で鋳造された貨幣です。記念コインとして発行されるものも多くあります。これまでの歴史のなかで実際の通貨として流通していたものもあれば、現在は投資目的や収集用として発行されるものもあり、希少性やデザイン性によって価値が大きく異なるという特徴を持ちます。
日本でもオリンピックや天皇陛下の即位などに合わせて金貨が発行されており、なかには希少性が高く、高値で取引されているものもあります。
金貨の種類とは
金貨は利用用途などによって地金型金貨、収集型金貨、通貨型金貨の3種類に分けられます。金貨を収集したり取引したりするなら、まずは金貨の種類を知っておきましょう。
1.地金型金貨
地金型金貨は、金の重さと純度そのものに価値が決まる金貨で、おもに投資目的で発行されます。金の価値によって市場価格が変動するため、相場が安価のタイミングで購入し、値上がった時点で売却することで、資産形成の一端を担うことが可能です。代表的な地金型金貨には、ウィーン金貨やメイプルリーフ金貨、パンダ金貨などがあります。
2.収集型金貨
収集型金貨は、おもに記念金貨として発行される金貨です。発行枚数が限定されていることが多く、コレクターの需要の高まりから金の含有量以上にプレミア価値が付く場合もあり、金本来の価値のよりも高い価格で取引される可能性もあります。
収集型金貨には、カナダ野生動物金貨や中国十二支金貨、ナポレオン金貨、ソブリン金貨などがあります。
3.通貨型金貨
通貨型金貨は、発行元がその価値を保証し額面が刻印された金貨です。金の価値が下がったとしても、通貨としての価値は変わることはありません。一方で、購入時の金の価値が下がっていれば、売却時にそれ以上の価値になることもあります。加えて、収集家の目に留まればコレクション性が高まりプレミアが付くケースもあるでしょう。
日本で発行された金貨
日本では、天皇陛下の即位やオリンピック、日本国際博覧会(万博)などを機に、金貨が発行されています。日本で発行された金貨を8種類紹介します。
- 天皇陛下御即位記念(平成)10万円金貨
- 天皇陛下御即位記念(令和)10万円金貨
- 天皇陛下御在位60年記念10万円金貨
- 皇太子殿下御成婚記念5万円金貨
- 長野オリンピック冬季競技大会記念1万円金貨
- 2025年日本国際博覧会記念1万円金貨
- 沖縄復帰50周年記念1万円金貨
- 近代通貨制度150周年記念1万円金貨・5,000円金貨
1.天皇陛下御即位記念(平成)10万円金貨
天皇陛下(現在の上皇陛下)の即位を記念して、1990年(平成2年)に発行された金貨です。純金製で重さは30g、表面には鳳凰と瑞雲、裏面には菊の御紋と桐、唐草が描かれています。
額面は10万円ですが、発行枚数は200万枚に限られており、金としての価値とプレミアが付いています。
2.天皇陛下御即位記念(令和)10万円金貨
今上天皇の即位を記念して、2019年(令和元年)に発行された記念金貨です。重さは20g、表面には鳳凰と瑞雲、裏面には菊花紋章と梓、ハマナスが描かれています。
純金を使用しており、発行枚数も5万枚に限定されているため人気が高くなっています。
3.天皇陛下御在位60年記念10万円金貨
昭和天皇の在位60年を記念して1986年(昭和61年)と1987年(昭和62年)に発行された記念金貨です。表面には平和の象徴である鳩と、日本の自然や稲作文化を表現した水が描かれています。また、裏面には天皇家の御紋である菊の御紋章があしらわれています。
昭和61年の年銘のものが1,000万枚、昭和62年の年銘のものが100万枚発行されています。純金製で重さは20gあり、金の価値の高騰によって、現在では高値で取引されています。
4.皇太子殿下御成婚記念5万円金貨
1993年(平成5年)に皇太子殿下(今上天皇)のご成婚を祝して発行された金貨です。表面には瑞鳥である鶴2羽と波が、裏面には菊の御紋章と梓が描かれています。
重さは18gで額面は5万円となっており、金相場と収集需要によりプレミア価格となることがあります。
5.長野オリンピック冬季競技大会記念1万円金貨
1998年(平成10年)に開催された長野オリンピックを記念して、1997年(平成9年)と1998年(平成10年)に発行された金貨です。第1次から第3次までに分けて発行され、それぞれ表面の絵柄が異なります。
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表面 |
裏面 |
重さ |
額面 |
発行枚数 |
第1次 |
ジャンプ |
リンドウ |
15.6g |
1万円 |
各5.5万枚 |
第2次 |
フィギュアスケート |
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第3次 |
スピードスケート |
純金で、オリンピック関連の金貨としてコレクターにも人気です。
6.2025年日本国際博覧会記念1万円金貨
2025年(令和7年)に開催された日本国際博覧会(大阪・関西万博)を記念し、同年に発行された、2025年5月時点において最新の記念金貨です。表面に公式キャラクターであるミャクミャクと日本政府館、裏面に2025年日本国際博覧会ロゴマークが描かれています。
重さは15.6gで額面は1万円です。金貨のみの発行枚数は3万枚で、金貨を含む記念硬貨5種類がセットになったコンプリートセット分は1,000枚発行されています。発行数やデザインに注目が集まっており、人気も高く、将来的な価値の上昇が期待されています。
7.沖縄復帰50周年記念1万円金貨
沖縄復帰50年を記念し2022年(令和4年)に発行された記念金貨です。表面には首里城正殿と琉球舞踊「四つ竹(ゆちだき)」、裏面には沖縄の伝統工芸である「紅型(びんがた)」が描かれています。
重さは15.6gで発行枚数は2万枚です。特定の地域の記念金貨であるため、沖縄関連コレクターからの人気が高くなっています。
8.近代通貨制度150周年記念1万円金貨・5,000円金貨
1871年(明治4年)に日本の通貨単位である「円」が誕生し、近代通貨制度が始まってから150周年を迎えることを記念して2021年(令和3年)に発行された金貨です。表面には「圓」の文字と菊、桐が描かれており、裏面には現行通貨貨幣(6貨種)の図柄が描かれています。
額面は1万円と5,000円の2種類が発行されています。1万円金貨は15.6gで2万枚発行されており、5,000円金貨は7.8gで2万枚発行されています。
海外で発行された地金型金貨
海外で発行された地金型金貨を7種類紹介します。
- ウィーン金貨ハーモニー
- メイプルリーフ金貨
- アメリカンイーグル金貨
- クルーガーランド金貨
- ブリタニア金貨
- カンガルー金貨
- パンダ金貨
1.ウィーン金貨ハーモニー
オーストリア造幣局が発行する純金製地金型金貨です。1989年から現在まで発行されており、信頼性の高さからヨーロッパでも人気の投資用金貨となっています。
金貨の表面にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会場が、裏にはウィーンホルンやハープ、ビオラなどの楽器が描かれています。そのデザインの美しさも人気の理由の一つだといえるでしょう。
ウィーン金貨ハーモニーは、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類発行されています(1オンスは約31g)。金としての価値が注目されていますが、25周年記念として2014年に発行されたものは希少価値が高く、プレミアが付くこともあります。
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2.メイプルリーフ金貨
メイプルリーフ金貨は、カナダが発行する非常に高純度(99.99%)の金貨で、世界中の投資家の信用を集めています。1979年から毎年発行されており、世界一の流通数を誇る金貨としても有名です。
サイズは1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/20オンスの5種類あります。表面にはイギリス王室のエリザベス二世の肖像が、裏面にはサトウカエデの葉が描かれています。なお2024年4月後半に、1オンス金貨の表面はチャールズ三世国王の肖像に代わっており、今後、その他のサイズの肖像も同様に切り替わる予定です。
メイプルリーフ金貨の取引価格については以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
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メイプルリーフ金貨の価格推移は?売るのに最適なタイミングも解説
3.アメリカンイーグル金貨
アメリカンイーグル金貨は、アメリカ造幣局が1986年から発行されている地金型金貨で、金の純度は22K(約91.67%)です。
サイズは1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類あります。表面には自由の女神、裏面には白頭鷲が描かれています。なお、収集用として特殊な加工が施された金貨も発行されています。
4.クルーガーランド金貨
クルーガーランド金貨は、1967年に南アフリカ共和国で発行された世界初の地金型金貨です。かつては日本でも流行したことがあります。
サイズは1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類です。表面にはトランスヴァール共和国の初代大統領ポール・クリューガーの肖像が、裏面にはスプリングボックが描かれています。
5.ブリタニア金貨
ブリタニア金貨は、1987年からイギリスのロイヤルミント(王立造幣局)が発行している金貨です。発行年によって純度が異なります。マイクロテキストや潜像などの革新的なデザインを取り入れており、その複雑な技巧から視覚的な安全性の高さも特徴の一つです。
サイズは1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類あります。
6.カンガルー金貨
西オーストラリア州政府公営・パース造幣局が発行するカンガルー金貨は、ウィーン金貨やメイプルリーフ金貨と並ぶ世界三大金貨の一つとされています。
毎年デザインが変更されるという特徴があり、コレクション要素があるため、より古い金貨はコレクターの需要が高くプレミアが付きやすくなります。サイズは1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類です。
7.パンダ金貨
パンダ金貨は1982年から中国が発行する地金型金貨です。表面にはジャイアントパンダ、裏面には世界遺産である北京天壇が描かれており、パンダのデザインは毎年変更されています。
サイズは1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/20オンスの5種類です。地金型金貨としても人気を誇りますが、見た目の可愛さから記念品として買い求める人も少なくないでしょう。
海外で発行された収集型金貨
海外で発行された収集型金貨を7種類紹介します。
- ソブリン金貨
- パンダ金貨
- 干支金貨
- 人気記念金貨
- ナポレオン金貨(20フラン金貨)
- 記念金貨(アメリカ造幣局発行)
- リベルタード金貨
1.ソブリン金貨
ソブリン金貨はイギリスで発行されている伝統的な金貨です。1489年から1604年まで発行された旧ソブリン金貨、1817年から1973年まで発行された新ソブリン金貨、1974年から発行された地金型ソブリン金貨があり、発行年によって価値が異なります。金の純度は91.67%です。
歴史的な背景からコレクターに人気があり、発行枚数が少ない1819年、1828年、1917年のものは特に希少価値が高くなっています。
2.パンダ金貨
中国のパンダ金貨には、限定発行のモデルがあります。
1982年発行の初代パンダ金貨、発行枚数が非常に少ない1995年と1998年のパンダ金貨は特に希少性が高く、本来の金の価値の倍以上の価格で取引されていることもあります。その人気から、偽物も多く流通しているため、取引する際は十分注意が必要です。
3.干支金貨
干支金貨は、オーストラリアやイギリス、フランス、カナダなどで発行される干支にちなんだシリーズ金貨です。収集家にとってはコンプリートを目指したくなる人気シリーズであり、価値も高くなっています。
4.人気記念金貨
カナダ王立造幣局が発行するカナダコインのなかにも、コレクターに人気の金貨があります。例えば、2016年に発行された「健康の恵み 猿と桃150ドル花形金貨」や、2017年に発行された「捕食者と獲物 ホッキョクウサギ アート様式25セント金貨」など、多彩な種類があります。
5.ナポレオン金貨(20フラン金貨)
ナポレオン金貨は、19世紀のフランスで発行された歴史ある金貨です。その名のとおりナポレオンの肖像が描かれています。デザインや額面の違ういくつかの種類がありますが「ナポレオン金貨」といえば20フラン金貨を指すほど、一般的に知られた金貨です。
1803年から発行されているため歴史的価値が高く、コレクション性も兼ね備えています。
6.記念金貨(アメリカ造幣局発行)
アメリカ造幣局では、かねてより多くの記念コインを発行してきました。金貨では、バッファロー金貨やイーグル金貨などが挙げられます。
7.リベルタード金貨
メキシコが発行するリベルタード金貨は、非常に美しいデザインが特徴です。少数発行年の金貨は希少性が高く、プレミアが付く可能性があります。
金貨を売るならまねきやがおすすめ
世界ではさまざまな金貨が取引されており、金としての価値や歴史的・文化的な価値、希少性などから人々の注目を集めています。
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この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。