着なくなった着物を放置していても、収納スペースが圧迫されたり虫食い被害があったりと、何かと気になる問題があります。
着物はただ捨てるだけでなく、買取や寄付、リメイクといった方法があり、それぞれにメリット、デメリットが存在します。
本記事では着物の処分方法をくわしく解説し、高く売れる着物の特徴を紹介します。また、少しでも着物を高く売るコツも説明しているため参考にしてください。
着物の処分方法10選
着物を処分する方法はいくつかあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の目的や着物の状態に応じて選びましょう。
1.着物専門の買取業者
着物専門の買取業者は、着物の価値をしっかりと見極めてくれる点が大きなメリットです。着物は産地、作家、作られた時期、今の市場価値など、さまざまな要因で査定額が決まります。
このような要因は、豊富な着物の知識や着物の買取経験が豊富でなければ見極めが難しいものです。
着物買取に力を入れている買取業者には、ブランド着物やアンティーク着物の価値を見極められる鑑定士も多く在籍しているため、高額で買い取ってもらえる可能性が高いです。
ただし、買取店を装った悪徳業者もいるため、注意しましょう。たとえば宅配買取専門業者の中には、価値のある着物を安く買い叩き、高く転売したり買取キャンセルを拒否したりといった、業者もいます。
実店舗や所在地がはっきりしているか、古物商許可証など着物の買取に必要な許可証をきちんと持っているかを公式ホームページで確認し、信頼できる業者であるかを必ず確かめましょう。
2.専門店以外の買取業者
質屋、不用品回収業者、総合買取業者も着物の買取をおこなっています。着物の専門店ほどの高額買取は期待しにくいですが、幅広い商品を取り扱っているためまとめて売る場合に便利です。ブランド品に限らず、家電製品、家具、楽器なども同時に引き取ってもらえるため、着物以外にも処分したいものがある際に重宝します。
ただし、着物の専門知識が少ない鑑定士も多く、価値を見抜けないまま買い取られるリスクはあります。
急いでおらず、より高い価格での買取を目指す方には、専門の業者に依頼するほうがおすすめです。
3.リサイクルショップ
リサイクルショップでは、日常的に使える着物の買取や、リサイクル素材として使える着物の買取を中心におこなっています。
近くのリサイクルショップには手軽に持ち込めるうえ、即日現金化できる点が魅力です。ただし、ブランド着物など高級な品物の価値を正当に見極められる鑑定士が在籍しているとは限りません。
着物専門の買取店と比較すると、価値のある着物の買取価格が低くなるリスクがあります。複数店で査定額を比較したうえで、納得できるお店に売却するのが無難です。
4.ネットオークション/フリマ
最近のレトロブームにより、若い世代で中古の着物への人気が高まっています。フリマアプリの利用者は10代や20代も多い、古い着物を安く購入したい層に向けて販売できるのがネットオークションやフリマアプリの特徴です。
インターネットに着物を出品して売却すれば、実店舗に足を運ぶ手間を省けます。
ネットオークションやフリマでは振袖や冠婚葬祭用の高級な着物よりも、手軽に街を歩けるような訪問着、古典柄の着物が売れやすい傾向があります。
そのため、ネットオークションやフリマアプリは、ブランド着物や有名作家の着物でなくとも、買い手が見つかりやすいのも魅力です。
ただし、出品作業や購入者とのやりとり、発送などの手間がかかる点には留意しておきましょう。また、希望額ですぐ売れるとも限らないため、ある程度時間にゆとりがある人におすすめです。
5.ごみとして処分
着物が破れていたり、汚れていたりしていて再利用が難しい場合は、思い切ってごみとして処分する方法も検討しましょう。カビが生えている着物も売却や寄付は難しいため、ほかの着物にカビが移る前に、可燃ごみや資源ごみに出しましょう。
着物の分別は自治体によって違いがあるため、住んでいる地域の環境課、クリーンセンターなどに問い合わせましょう。また、「ごみの分別方法」などの冊子、ポスターや公式サイトに着物の分別が記載されている場合もあるため、しっかり確認したうえでルールに従って処分しましょう。
6.知人に譲る
知人や友人に着物を譲ることも、資源を無駄にしないエコな処分法です。自分の着物を気に入ってくれる人がいる場合、タンスにしまったままにするよりも有効活用してもらえます。自分で着物の購入するのはハードルが高いと思っている人や、着物の保有を検討している知人に着物を譲れば、喜んでもらえるでしょう。
手芸やリメイク目的で譲るのもおすすめです。リメイクが好きな友人に譲れば、ハギレを小物にリメイクしてもらうなど、別の形で大切に使ってもらえるはずです。
7.リメイクして利用する
古い着物を自身でリメイクして、小物や雑貨として再利用する方法もあります。リメイクすれば、成人式に着た思い出の詰まった着物や、親や祖父母から譲り受けた一着なども、形を変えて長く使い続けられるのです。
着物に限らず、帯やハギレなどはバッグ、洋服などに作り替えられます。
自分でリメイクするだけでなく、リメイク専門店に着物を持ち込んで、好みの小物や洋服を作ってもらう方法もおすすめです。
ただし、一度裁断すると元の状態には戻せません。また、リメイク専門店に依頼する場合は料金が発生するため、処分に費用をかけたくない人は注意しましょう。
着物のリメイクは、思い出の詰まった着物を何らかの形で長く使いたい方におすすめです。
8.NPO・NGO法人への寄付
NPOやNGO法人に着物を寄付すれば、まだ着られる衣類が無駄にならないだけでなく、社会貢献にもつながります。
特に海外支援をおこなっている団体に寄付すれば、日本の文化の象徴と言える着物が海外に渡り、多くの人に喜ばれるでしょう。着物だけでなく、下駄、帯などの小物を回収している法人を利用すれば、着なくなった着物をまとめて手放せます。ただし、シミやカビ、破れなどの傷みがある着物は、基本的に寄付を受け付けていません。
寄付できる着物の種類は団体の目的や活動内容によって異なるため、それぞれの公式サイトを逐一確認しましょう。
9.市民団体への寄付
地域の市民団体やボランティア団体にも、着物を寄付できます。団体によって回収方法は違いますが、中には数か月に一度、特定の回収場所に出向いて、直接着物を受け取る団体も存在します。日程は市民団体のホームページや、市の広報誌などでチェックできます。
また着物を郵送で回収している団体もあるため、住んでいる地域の市民団体やボランティア団体を調べてみましょう。
多少の汚れやほつれ程度であればリサイクル可能なため、買取を断られてしまった品物も引き取ってもらえる可能性があります。
寄付された着物は海外に送られるほか、被災地支援など、さまざまなボランティアに活用されます。
10.大学への寄付
着物の保存や研究を目的とした大学に寄付する方法もあります。文化を次世代へと引き継ぐのに貢献できるだけでなく、大学が着物を売却した際はそのまま寄付金になる場合もあります。
数十年前に作られた古い着物は、研究のために重宝されます。大島紬といった地域に根付いた着物や歴史的価値がある着物は、売却せずそのまま大学の研究に役立てられます。
大学に直接持ち込みができるところもあれば、送料負担で着物を送る形式もあるため、大学の公式サイトなどの情報を確認してみましょう。
着物が売れる理由
古くなった着物が売れる理由には、さまざまな要因があります。
- 日本文化の象徴として国内外で人気があるため
- レトロブームによりアンティーク着物の需要が高まっているため
- SDGsの観点から中古衣類を選ぶ人が増えているため
現代はレトロブームの真っ只中だからこそ、あえて着物を楽しみたい若者も増えており、国内外で高い人気があります。外国人にとっては、着物は日本を象徴する衣装で、日本らしい色彩や伝統技法を楽しめるため人気高いです。
また、ファッションとしての価値も高く、特にレトロやアンティークの着物は一部のファッション愛好家からも人気があります。
近年のSDGsへの関心の高まりにより、中古衣類をあえて購入する層も増えています。着物の魅力自体も見直されており、洋服と組み合わせたおしゃれを楽しむ方がいる点も、中古の着物が売れるようになった理由と言えます。
高価買取される着物の特徴
着物の買取には、素材の品質や保存状態、ブランドの有無など、複数の要素が関係します。
着物を売却するか、別の方法で処分するか迷っている人は、自分の着物に高価買取される特徴があるか、事前に調べておきましょう。
この項では高価買取されやすい着物の特徴について、一つずつくわしく解説します。
1.有名作家やブランドの着物
有名な着物作家や、名の知れたブランドが制作した着物は、高値で買い取られることが多いです。たとえば有名作家や人間国宝にえらばれた作家が手がけた着物などの作品が挙げられます。
ほかにも、江戸小紋や友禅染といった人気の染物作家、繊細な刺繍が人気の龍村美術織物、室町時代から続く老舗の千總(ちそう)といった老舗ブランドなど、知名度が高い着物はそれだけ需要が高く、買取価格に反映されやすいのです。
ただし、たとえ人気作家やブランド品でも状態が悪ければ、買取価格が一気に下落します。高価買取を狙うのであれば、汚れやカビなどがつかないように保管方法に注意して、着物をきれいな状態に保ちましょう。
2.質の高い素材
絹やシルクなど、質の高い素材で作られた着物も高価買取の対象となります。中でも「正絹(しょうけん)」と呼ばれる、絹100%の着物は質が高く、希少なものとして高値で取引されています。
訪問着といった格式高い着物には、正絹が使われてきました。現代ではポリエステルなどで作られている着物も多く、浴衣などの安価な着物は素材も絹と比べて低価格です。その分買取価格も下がりやすいというデメリットもあります。どのような素材で作られた着物なのか調べておくと、売却するか処分するのか判断しやすいでしょう。
3.状態が良いもの
着物の状態が良いほど高額買取が期待できます。
シミや汚れがなく、虫食いや破れもない状態であれば保存状態が良いと判断され、高価買取が期待できます。
また、たとう紙や反物が揃っていれば、査定時により高く評価されるでしょう。
4.古い時代のアンティーク着物
江戸時代や明治時代の着物は、アンティークとしての価値があり、高額買取を期待できます。綿や絹といった天然素材のみで作られた着物は独特の風合いがあり、長い歴史を感じられるため人気が高いのです。
現代ではあまり見かけないようなレトロなデザインは、若い世代にも注目されています。
ほかにも時代背景や歴史的価値がある着物や、その時代特有の技法が使われたものはコレクターに人気があるため、プレミアム価格で取引されます。
5.特殊な技法で作られた着物
手描き友禅や手織りのもの、刺繍が施された着物など、特殊な技法で作られた着物も高額で買取される傾向があります。このような特殊技法の着物や、ブランド産地の着物は、証紙が発行されるため査定に出す前に探しておきましょう。
証紙の有無によって特殊な技法の着物かどうか、どこで作られたものなのかなどの情報や、「本物なのか?」を証明できるのです。
また、証紙以外にも経済産業大臣が指定する伝統工芸品につけられる「伝統マーク」でも証明可能です。
国によって品質が保証され、厳しい基準をクリアした高品質な着物だと証明できれば、高価買取を期待できるでしょう。
少しでも高く売るための着物の手入れ方法
着物を高く売るためには、日頃の手入れが重要です。通常の洋服とは素材が異なるものも多く、放置すると虫食いやカビが発生する原因になってしまいます。
そこで、少しでも着物の価値を高く保つための正しい手入れ方法を解説します。
1.たとう紙で保管する
たとう紙とは、着物を湿気やほこりから守るための包み紙です。通気性が良く、湿気を吸収する効果のあるたとう紙を利用すれば、着物を傷めるカビや汚れを防止できます。
また、たとう紙は着物に塵や埃の付着を防いだり、複数枚を重ねてシワを防止したりなど複数の役割があります。
たとう紙は着物の購入時に付属する場合も多いですが、基本的には1〜2年ごとの交換が推奨されています。これはたとう紙が経年劣化によって、吸湿性が弱まってしまうためです。だからこそ、着物の保管はたとう紙を定期的に交換して、清潔に保ちましょう。たとう紙にシミ、茶色の変色が見られたら、1年以内であっても交換をおすすめします。
2.たんすで保管する
着物用のたんすで保管すると、着物の形が崩れにくくなります。着物用たんすとは、桐など通気性の高い木材で作られた和服収納のために作られています。横長で着物を平らに収納できるため、シワが付きにくく長期の保管にも向いているのです。
また、洋たんすやプラスチックの保管ケースでも着物を収納できます。ただし桐以外のたんすは、湿気がこもりやすくシワができる原因になるため、定期的に中を掃除して埃や湿気を取り除きましょう。
3.虫干しを定期的にする
虫干しは着物を長持ちさせるために重要なメンテナンス方法で、定期的におこなうとカビやシミの予防になります。虫干しとは、風通しの良い場所で着物を陰干しすることで着物を乾燥させ、中に隠れていた虫を追い出すメンテナンス方法です。
着物の色落ちや劣化を防ぐためにも、直射日光を避けておこないましょう。
季節ごとにおこなうことで着物の劣化を予防できますが、干す際にきれいにシワを伸ばさないと癖がつく原因にもなります。
また、虫干しの際に雨に打たれたり、砂ぼこりがついたりするリスクもあるため、虫干しする際は天気や干す場所に注意しましょう。
着物の処分ならまねきやがおすすめ
着物の処分検討している方は、まねきやでの買取を選択肢に入れてみてください。まねきやでは、市場価値を踏まえたうえで着物の産地、ブランドなどを総合的に評価して買取額を決定します。業界最高水準の査定額をお約束しており、他店よりも査定額が安かった場合はより高い金額の提示も可能です。
実際、他店と比較しても満足のいく価格で買取してもらえる場合が多いため、多くのお客様から信頼を得ています。
また、買取キャンペーンも定期的に実施しています。通常より着物の買取価格がアップするタイミングがあるため、少しでも高く売りたい方はぜひまねきやの公式サイトや公式LINEで情報をご確認ください。
ほかにも店頭買取、宅配買取、出張買取など、さまざまな買取方法からお選びいただけます。
この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。