10銭硬貨は、明治時代から昭和時代にかけて日本で流通していた小額硬貨です。
現在では製造が停止されていることから、近年コレクターアイテムとしての価値が高まっています。
特定の年号のコインやエラーコイン、保存状態がよいコインは特に希少価値があり、高額で取引されます。
本記事では、10銭硬貨の種類や特徴、そしてそれぞれの買取相場を詳しく解説します。
10銭硬貨は価値がある?
10銭硬貨は、日本の歴史を物語る重要なコレクターズアイテムとして価値が高く、多くの愛好家に人気があります。特に、発行枚数が限られている年のコインやエラーコインなど、希少性の高い10銭硬貨はコレクター市場で高値で取引されます。
硬貨の価値を決める要素は、以下のとおりです。
- 硬貨の発行年(その年の発行枚数)
- デザイン
- 保存状態
例えば、明治時代に発行された銀製の10銭硬貨や、戦時中の資源不足で素材が変更された硬貨などは、高い歴史的価値を持つためさらに貴重です。
もし10銭硬貨を所有していたら、まずは専門家の査定を受けてみましょう。
10銭硬貨は全部で10種類!それぞれの特徴と買取相場を解説
10銭硬貨は、その時代ごとに異なるデザインと材質が採用されており、全部で10種類の硬貨が存在します。
- 明治5年発行の銀10銭硬貨
- 明治10年発行の改鋳銀10銭硬貨
- 明治23年発行の竜10銭硬貨
- 大正11年発行の稲10銭硬貨
- 昭和13年発行の満州10銭硬貨
- 昭和18年発行の銅ニッケル合金10銭硬貨
- 昭和19年発行のアルミニウム10銭硬貨
- 昭和20年発行の亀10銭硬貨
- 昭和23年発行の新10銭硬貨
- 昭和27年発行の昭和白銅10銭硬貨
それぞれの10銭硬貨の特徴と買取相場を詳しく解説します。
1.明治5年発行の銀10銭硬貨
明治5年発行の銀10銭硬貨は、日本で最初に発行された10銭硬貨です。銀製で、表面に竜が描かれた美しいデザインが特徴です。
発行枚数も少なく、保存状態がよいものでは数千円から数万円の価値がつくことがあります。
この時期の日本は、江戸時代から明治時代への移行期にあり、通貨制度も大きく変革されました。
表面のデザインは「竜図」と呼ばれており、表面には「大日本」、裏面には「十銭」と刻まれています。
特に、美品やプルーフ仕様のものは、コレクターに高い人気があります。
2.明治10年発行の改鋳銀10銭硬貨
明治10年に発行されたこの硬貨は、明治5年の銀10銭硬貨の改良版です。
明治5年発行の10銭硬貨から製造方法や重量、銀の純度の見直しが行われ、銀の純度が下げられました。
発行枚数が少ないため取引価値は高く、特に保存状態がよいものは数万円以上の価格が期待できます。
竜のデザインは、明治5年の銀10銭硬貨に引き続いて採用されており、こちらもコレクターの注目を集めています。
3.明治23年発行の竜10銭硬貨
明治23年に発行された竜10銭銀貨は、さらに銀の含有量が減少しています。デザインには再び竜が描かれているのが特徴です。
竜10銭銀貨のデザインには、表面に竜図と「10SEN」の金額表記、裏面には菊の紋章と「十餞」の表記が施されています。
当時の流通量は比較的多かったものの、現代では高い価値があります。未使用に近い場合、買取価格は数万円に達するケースもあります。
特に竜10銭銀貨のなかでも明治13年銘のコインは発行枚数がわずか77枚しかないため、極めて希少価値が高いのが特徴です。
一般的な市場ではすぐに買取価格がつけられないほどの希少性を誇ります。
4.大正11年発行の稲10銭硬貨
大正時代に発行されたこの硬貨は、竜から稲穂のデザインに変更されたのが特徴です。
日本の農業と豊穣を象徴する稲穂は、当時の歴史的背景を現したデザインです。
銀製でありながら発行枚数が少なく、コレクター間で一定の需要があります。
買取相場は数千円程度が一般的ですが、状態がよいものはより高額な売値がつくこともあります。
5.昭和13年発行の満州10銭硬貨
満州国で使用された満州10銭硬貨は、満州国限定で発行されたため、かなり希少です。
デザインは満州国の国章が描かれており、収集家の間で高い人気を誇ります。
また、日本語と満州語が併記されているのはこの硬貨だけです。
稀少価値が高く、数万円で取引されることが多い貴重な硬貨です。
6.昭和18年発行の銅ニッケル合金10銭硬貨
戦時中に金属不足に対応するために発行された、銅ニッケル合金製の10銭硬貨です。
この硬貨は、他の金属硬貨に比べると流通量が多いためそれほど希少性は高くなく、価値は数百円から数千円程度とされています。
ただし、未使用品や保存状態が非常によいものは高値で取引されることがあります。
7.昭和19年発行のアルミニウム10銭硬貨
昭和19年に発行されたこの硬貨は、戦時下での金属不足によりアルミニウム製に変更された硬貨です。
アルミニウムの特性上、軽量で保存が難しいため、状態がよいものは希少です。
数百円から数千円で取引されますが、状態のいいアルミニウム10銭硬貨はより高額での買取が期待できます。
8.昭和20年発行の亀10銭硬貨
亀10銭硬貨は戦後に発行された硬貨で、亀のデザインが施された10銭硬貨です。
亀は長寿と繁栄の象徴であり、戦争終結に向けた希望が込められているとされています。
そのため、戦後の復興期を象徴するものとして、コレクターの間で人気があります。
保存状態がよい亀10銭硬貨は、数千円で取引されます。
9.昭和23年発行の新10銭硬貨
昭和23年に発行された新10銭硬貨は戦後初の日本国発行の硬貨で、デザインが刷新されました。
デザインは表面に桜の花が描かれていて、戦後の再建を目指す日本の新たなスタートを象徴しています。
一般的な買取価格は数百円から数千円程度ですが、状態がよいものはコレクターに高く評価されるため、さらに高値で取引されます。
10.昭和27年発行の昭和白銅10銭硬貨
昭和白銅10銭硬貨は、現行の硬貨に近い材質の白銅で作られた昭和27年発行の10銭硬貨です。
白銅とは合金の一種で、より高品質で長持ちするため硬貨に採用されました。
中央には日本の象徴で、皇室の紋章としても知られる菊がデザインされています。
価値は一般的には数百円程度ですが、保存状態によってはより高額で取引されることがあります。
価値が高くなる10銭硬貨の特徴
10銭硬貨は、歴史的な背景やその希少性から、コレクターの間で高い人気を誇っています。特に価値の高い硬貨の特徴は、以下の3つです。
- 発行枚数が少ないもの
- エラーコイン
- 保存状態がよいもの
ここでは、上記3つの要因を詳しく解説します。自分が持っている10銭硬貨の価値を確認しましょう。
1.発行枚数が少ないもの
発行枚数が少ないものは、10銭硬貨のなかでも高値で取引されます。
なぜなら発行枚数が少ないと市場に出回りづらく、希少価値が高まるためです。
また発行枚数が少ない硬貨のうち、保存状態がいい硬貨はさらに高い価格で取引されます。もし保有している場合は、保管に細心の注意を払いましょう。
2.エラーコイン
エラーコインは製造の過程で生じたミス硬貨です。
エラーコインは通常、造幣局の厳しいチェックによって取り除かれますが、一部がチェック漏れとして市場に出回ります。その希少さから価値が高めなのが特徴です。
例えば、デザインの一部が不完全であったり、刻印がずれていたりする場合があります。
また、穴があいている硬貨の穴位置がずれていたり、穴自体がない効果も価値が高いです。
このようなエラーコインは、他にはないユニークさと希少性から、コレクターの間で高い価値で取引されます。
エラーコインを見つけた場合は、一度専門家の査定を受けるのがおすすめです。
3.保存状態がよいもの
10銭硬貨の価値は、保存状態によっても大きく左右されます。
表面に傷や汚れがなく、光沢が保たれている硬貨は高く評価されます。
特に未使用やそれに近い美品(未使用状態で残っているもの)、プルーフ硬貨(特別な仕上げが施されたもの)は、高価買取が可能です。
逆に、傷や摩耗が激しいものは価値が下がる傾向にあるので注意しましょう。
10銭硬貨の買取ならまねきや
10銭硬貨を売却する際は、信頼できる買取業者を選ぶことが重要です。
まねきやには経験豊富な鑑定士が在籍しており、10銭硬貨の価値を適切に評価してくれます。
特に希少価値の高い硬貨や保存状態がよいものは、他の買取業者よりも高い価格で買い取ってもらえる可能性があります。
査定は無料で行っているので、まずは相談してみてください。
まねきやでは、インターネットや電話での査定も行っており、忙しい方でも手軽に利用できます。
来店時同様、専門のスタッフが親切丁寧に対応するため、初めての方でも安心して利用できます。
売却を検討している10銭硬貨がある場合は、ぜひまねきやの査定を受けてみてください。
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この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。