「50銭硬貨の価値は?」
「古い硬貨が高く売れることってあるの?」
このように悩み、50銭硬貨を捨てるか迷っている方もいるでしょう。
実は、50銭硬貨の価値は種類や状態のランクによって大きく異なり、希少なものは高額で取引されます。
この記事では、50銭硬貨の種類や種類別の相場や、高額買取される可能性のある硬貨を紹介します。古銭の売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
当時の50銭硬貨の価値とは?
当時の50銭硬貨の価値は、現代の貨幣価値に換算して1,500円から10,000円程度だと言われています。物価の変動や時代背景により、50銭硬貨の実際の価値は、時代によって大きく異なってきました。そのため価値は発行された時代によって大きく異なります。
たとえば、明治時代の50銭の価値は、現在の約10,000円相当の価値があったとされています。(当時1銭でアンパンが購入できたことを基準に計算)
また素材も時代とともに変化し、明治時代は純銀製で、大正時代は銀の含有量が減少し、昭和時代には黄銅製となっています。現代では古銭としての価値は保存状態や希少性によって大きく異なるため、正確な価値を知るためには専門家による鑑定や市場価格の確認が欠かせません。
50銭硬貨は銀貨と銅貨がある
50銭硬貨には銀貨と黄銅貨の2種類が存在し、時代とともに素材が異なります。主に銀を材料として製造されたのが、明治時代から昭和初期にかけて発行された50銭硬貨です。
その後、第一次世界大戦により銀の価格が高騰し、硬貨の銀の配合率は徐々に低下していきました。日本は第二次世界大戦後の経済復興期に入り、物資不足による銀のさらなる供給難に直面します。
銀の供給難を打開するため、政府は銅と亜鉛の合金である黄銅を新たな硬貨の材料として採用したのです。黄銅は銀と比較して安価で調達が容易だったため、戦後の通貨製造を支える重要な役割を果たしました。素材の変遷は、日本の経済状況や世界情勢を反映した貴重な歴史的証拠となっています。
50銭硬貨の種類と買取相場
50銭硬貨は発行年代やデザインによって価値が大きく異なり、希少性の高いものや歴史的価値があるものは数百万円で取引されています。この項では、以下の50銭硬貨の特徴を詳しく解説します。
- 旭日竜大型50銭銀貨
- 旭日竜小型50銭銀貨
- 旭日50銭銀貨
- 竜50銭銀貨
- 八咫烏50銭銀貨
- 鳳凰50銭銀貨
- 大型50銭黄銅貨
- 小型50銭黄銅貨
各硬貨の買取相場も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.旭日竜大型50銭銀貨
明治時代3〜4年に発行された旭日竜大型50銭銀貨は、約五千円から約五万円で取引されています。(状態によって変動)
表面には大きく口を開けた竜が描かれ、裏面には紋や桐紋が描かれていました。前期と後期でデザインの筆致に僅かな差異があり、前期に製造されたものはコレクターの中でも人気で、高値で取引される傾向にあります。
このように製造年代によって価格が変動するため、正確な価値を知るには専門家による鑑定が不可欠です。また、状態のいいものであればさらにプレミアがつき、通常の相場を上回る価格で取引される可能性も秘めています。
2.旭日竜小型50銭銀貨
明治4年発行の旭日竜小型50銭銀貨はその名のとおり、旭日竜大型50銭銀貨よりも小型の硬貨です。竜の形状によって、価格に大きな開きがあります。
具竜の爪の棘が2本のものは「大竜」と呼ばれ、数万円から数十万円で取引されます。一方棘が3本のものは「小竜」と呼ばれ、数千円から約三万円での取引が一般的です。
棘の本数による分類は専門家でなければ判断が難しく、熟達した鑑定技術が必要です。硬貨の状態も買取価格を左右する重要な要素となります。
3.旭日50銭銀貨
明治39年から大正6年にかけて流通していた旭日50銭銀貨の現在の買取価格は、数百円から約二万円です。菊の紋章と「大日本50SEN」の刻印が目を引く硬貨は発行枚数が多いため、他の硬貨より取引価格が低めです。
しかし、大正元年と大正4年に発行されたものは希少価値があり、中には数万円の値が付くものも存在します。状態がよいものほど高額で取引される傾向があります。状態のよい旭日50銭銀貨はコレクターにとって貴重な一品であるため、適切な方法で保管しましょう。
4.竜50銭銀貨
明治6年から38年にかけて発行された竜50銭銀貨は、コレクター市場で高い価値を有しています。表面に描かれた竜の図柄と裏面に刻まれた「五十餞」の文字が特徴的な銀貨は、発行年によって価値が大きく変動します。
中でも明治13年銘のものは希少性がきわめて高く、数十万で取引される場合もあります。条件がそろえば、数百万円で取引された実績もある逸品です。
また、明治30年に発行された上切タイプも十万〜二十万円の値がつくなど、高額で取引されています。竜50銭銀貨が手元にある場合は、一度専門家による査定を受けてみることをおすすめします。
5.八咫烏50銭銀貨
大正7年から8年にかけて製造された八咫烏50銭銀貨は珍しく、数百万円で取引される場合もあります。表面には鳳凰、裏面には八咫烏が描かれた独特のデザインが特徴です。
銀価格の高騰を理由に製造が中止されたため現存数が少なく、希少価値が高いです。特に保存状態のよいものはさらにプレミアが付き、高値で取引される傾向があります。50銭硬貨の市場では、常にコレクターの注目を集めている銀貨の一つです。
6.鳳凰50銭銀貨
大正11年から昭和13年まで発行された鳳凰50銭銀貨は、数百円から約四千円で取引されています。表面の鳳凰の絵柄と裏面の「大日本」の刻印が特徴で、比較的入手しやすいため他と比較して取引価格が低めです。
しかし昭和13年に発行された鳳凰50銭銀貨はとりわけ希少価値が高く、一万円以上での取引実績があります。また、状態のよいものはプレミアが付きやすいです。
家で見つけた鳳凰50銭銀貨が昭和13年のものだったり、状態がよかったりすると、高値での取引が期待できます。見つけたら劣化しない環境で保存し、専門家に査定してもらうのをおすすめします。
7.大型50銭黄銅貨
昭和21年と22年に発行された大型50銭黄銅貨は、数百円から数十万円で取引されています。ただ、表面に光線のような模様(光線模様)があるかないかで、価値が大きく変わります。
光線模様は製造過程で稀に発生する模様です。ほとんどの50銭黄銅貨には光線模様がないですが、ごくまれに模様が入っているものがあり、コレクターの中でも人気です。特に昭和22年銘の光線模様入りは珍しく、数十万円の値が付く場合もあります。
大型50銭黄銅貨を探す際は、光線の有無まで欠かさずチェックしましょう。
8.小型50銭黄銅貨
昭和22年から23年に発行された小型50銭黄銅貨は、数円から数十円程度と、比較的低い価格で取引されます。大型50銭黄銅貨に比べて発行枚数が多いため希少価値は低く、保存状態がよくても高額での取引は難しいのが現状です。
もし家で見つけた50銭硬貨が小型だった場合は、額面どおりの価値で利用するか、他の古銭と一緒にまとめて査定に出すのがよいでしょう。
50銭硬貨のエラーコインは買取相場が高い
エラーコインは製造過程での不具合により生まれた希少性の高い硬貨です。統一された企画から外れたコインはかなり珍しく、コレクターからの需要が高いため取引価格も高額です。ここでは以下の4つのエラーコインを紹介します。
- ダブルストライク
- オフセンターコイン
- ブランクコイン
- クラッドエラー
1.ダブルストライク
ダブルストライクとは、製造時の刻印の二度打ちにより、模様が二重に刻印されたエラーコインです。ダブルストライクは製造工程での滅多にない不具合によって発生し、通常の硬貨より数万円高い価値を持ちます。
なかでも影打ちと呼ばれる特徴的な二重刻印は、コレクターの間で人気が高い要素です。表と裏が同じデザインになったり、表と裏のデザインが鏡写しのように刻印されたりします。
また、銀貨の種類によって具体的な取引価格は変動します。ダブルストライクはコレクション価値の高いエラーコインとして、コレクターからも大きな注目を集めています。
2.オフセンターコイン
中心ずれ硬貨とも呼ばれるオフセンターコインは、刻印位置が中心からずれている硬貨です。製造時にプレス機の中心からずれて打刻されることで発生します。
デザインの一部が硬貨の縁に寄っているほど、希少価値は上昇する傾向にあります。このずれの程度によって取引価格が大きく変動するのも特徴です。
たとえば、中心からのずれが9ミリメートルのものと14ミリメートルのものでは、七万円もの価格差が生じる場合があります。自分の財布の中にオフセンターコインが隠れていないか、チェックしてみてくださいね。
3.ブランクコイン
刻印がまったくない状態で流通してしまったブランクコインは、エラーコインの中でも特に珍しいエラーコインです。製造工程での厳重なチェックをすり抜けて市場に出回ったものが、高値で取引されています。
無地の表面を持つ硬貨は、製造過程の貴重な証拠としても価値があります。また、完全な無地状態が保たれているものほど、取引価格は上昇します。ブランクコインはコレクターにとって、喉から手が出るほど欲しい特別なエラーコインです。
4.クラッドエラー
複数の金属層で構成される硬貨の接合不良により発生するクラッドエラーは、特殊な価値を持ちます。コインの一部欠損や不均等な厚みなどの特徴的な不具合が、その希少性を高めています。
クラッドエラーは製造段階での発見が容易な分、チェックをすり抜けて流通するのは極めて稀です。独特の形状異常から、コレクターの間で高い人気を誇っています。
50銭硬貨の状態ランク
50銭硬貨の価値は状態によって大きく変動し、買取価格に大きな影響を与えます。ここでは大きく分けて4つの状態ランクの特徴を詳しく解説します。
- 未使用品
- 極美品
- 美品
- 普通品
自分の硬貨がどの状態ランクに分類されるのか、チェックできるようになりましょう。
1.未使用品
製造時の美しい輝きを保持している未使用品は、最高級の状態ランクとして評価されます。表面の模様が完璧に残っており、使用による摩耗が一切見られない点が条件です。ただし、製造工程や運搬時に付いた微細な傷は未使用品の評価には影響を与えません。
また、オリジナルの色調が保たれていることも重要な判断基準です。未使用品は、古銭市場で特に高値が付く状態のランクとして知られています。
2.極美品
極美品は、わずかな使用感はあるものの、模様が明瞭に残っている状態を指します。流通過程で付いた軽度の傷や擦れがある一方、鑑賞に支障がない美しさであることが条件です。
また、細部まで確認できる状態であることも条件に含まれます。極美品も、投資価値の高い状態ランクとして評価されています。
3.美品
美品は、表面に使用による摩耗が見られる一方、模様の判別が可能な状態です。
傷やサビ、汚れなど、さまざまな欠点が存在していても、全体的な状態は良好なものを指します。価格は極美品より下がりますが、珍しいコインなら高い価格での取引が期待できます。
なお、欠点の種類や程度によって、同じ美品でも価格に差が生じる点には留意しておきましょう。
4.普通品
普通品は、キズや摩耗、サビなどの劣化が目立つ状態を示します。模様の摩耗が進んでおり、模様の判別がしづらいものも普通品です。
さらに状態が悪化すると稍劣や劣へとランクが下がります。価格は比較的安価ですが、歴史的価値は十分に残っています。また、研究資料として活用できるため、十分買取ってもらえる範囲内の状態です。
50銭硬貨を少しでも高額で買取ってもらう方法
50銭硬貨の価値を引き出すには、買取前の準備が重要です。この項では買取価格を高められる3つの工夫をご紹介します。
- 古銭の買取実績が多い業者で買取してもらう
- きれいな状態で保存しておく
- 付属品もつける
簡単な工夫ばかりなので、すぐ実践してみましょう。
1.古銭の買取実績が多い業者で買取してもらう
50銭硬貨を高く売るためには、買取業者の選定が重要です。業者によって大きく査定額が変わる場合があります。買取実績が多い業者ならプロの鑑定士が専門知識にもとづいて、正しい価値をチェックしてくれるため、安心して任せられるでしょう。
逆に、経験の浅い業者や知識不足の業者では、価値を見誤られて安く買いられてしまうかもしれません。
より高額での買取を目指すには、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。それぞれの業者の査定額を比較すれば適正価格を把握し、高く買取ってくれる業者を見つけられます。
2.きれいな状態で保存しておく
50銭硬貨を少しでも高く買取ってもらうためには、保存状態にも気を配りましょう。コレクターは状態のよい硬貨に高い価値を見出す傾向があるからです。
傷や汚れを防ぐためには、硬貨をそのまま保管するのではなく、専用のコインケースやホルダーに入れて保管するのがおすすめです。硬貨同士がぶつかったり、ほこりが付いたりするのを防いでくれます。
また、高温多湿の環境は硬貨の劣化を早める原因になるため、できるだけ避けましょう。15〜25度の温度と40〜50%の湿度の下で保管するのが理想的です。適切な保存方法を心がけることで、買取価格の下落を防げます。
3.付属品もつける
50銭硬貨を査定に出す際は、信頼できる機関が発行した古銭鑑定書をあわせて提出するのがおすすめです。購入時の領収書や保証書が残っている場合は、あわせて査定に出しましょう。
書類があると本物であると証明する証拠になるため、スムーズな取引につながります。もし引き継いだり、もらったりした際に書類が同梱されていたら、硬貨本体と同様に大切に保管しておきましょう。
50銭硬貨を洗浄するとかえって買取価格を下げる可能性があるので注意
不適切な洗浄は50銭硬貨の価値を大きく下げる重要な要因となります。硬貨の洗浄は、細心の注意を払って適切な方法で行いましょう。汚れが気になる場合は、柔らかい布で優しく拭き取るのがおすすめです。
強い洗浄剤の使用や過度な磨きは、硬貨本来の風合いを失わせるため避けるのが無難です。化学反応によって表面が変質する可能性もあるため、薬品類の使用は控えましょう。
古銭収集家は、適度な古色を残した状態を好む傾向にあります。汚れが気になる場合でも、一度査定に出し、価格を確かめてからどうするか決めるのがおすすめです。
50銭硬貨の買取ならまねきやがおすすめ
本記事では、50銭硬貨の歴史的価値や種類、買取相場を解説しました。50銭硬貨は素材が銀貨のものから黄銅貨のものまであり、製造された時代やデザインによって価値が大きく変化する貴重な硬貨です。
買取価格は数百円から数百万円と幅広いのも大きな特徴です。旭日竜小型銀貨の「大竜」や八咫烏50銭銀貨は、コレクターが特に注目するほどの希少価値を持ちます。
もし50銭硬貨をお持ちの方は、一度専門的な査定を受けることをおすすめします。硬貨の真偽や状態を正確に判断できる専門店で査定を受けることで、適正な価格での取引が期待できます。
まねきやは、古銭買取の実績が豊富で、50銭硬貨の価値を適切に査定できる信頼性の高い買取店です。店頭買取に加え、オンライン査定や宅配買取など、便利なサービスも充実しています。50銭硬貨の買取をお考えの方は、確かな鑑定眼と高価買取の実績を持つまねきやの利用をおすすめします。
この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。