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一分銀とは?種類別の価値や見分け方を解説!

2025.04.16

一分銀は江戸時代から明治時代にかけて流通した銀貨で、時代などの違いで複数の種類があり、価値もそれぞれ異なります。家の金庫から出てきたり、家族から譲り受けたりしたものの、どのくらいの価値があるのかわからず、取り扱いに困っている方もいるのではないでしょうか。

一分銀のなかには、デザインが特殊などの理由で希少価値が高いものもあります。正しい知識を持つことで、高価買取が期待できるものを見分けることもできるでしょう。この記事では、一分銀の種類別の価値や見分け方、真贋のポイントを解説します。

一分銀とは

一分銀(いちぶぎん)とは、江戸時代後期から明治初期にかけて流通していた銀貨の一種です。1837年(天保8年)から1869年(明治2年)まで製造され、金貨と併用される形で広く使用されていました。当時の日本経済を支える重要な貨幣の一つだったといえます。

形状は長四角で、「一分銀」の文字が表に、「定 銀座 常是」の文字が裏に刻まれており、周囲には桜の紋も描かれているのが特徴です。途中でデザインの変更が行なわれたほか、発行された地域の違いなどにより、いくつかの種類が存在します。

1.一分銀の昔の価値

江戸時代において、一分銀の価値はその名のとおり「一分」でした。これは金貨の「一分金」と同じ価値で、1両の4分の1に相当します。

当時の貨幣制度における単位は以下のとおりです。

  1. 1両(金貨・小判1枚)=4
  2. 1分=4朱

つまり、一分銀4枚で1両(小判1枚)と交換できたことになります。

当時の物価と照らし合わせると、庶民の食事代が一分銀1枚で数日分まかなえる程度だったとされています。江戸時代の貨幣制度は金貨・銀貨・銭貨の三貨制度で運用されていましたが、なかでも一分銀は流通量の多い貨幣でした。

2.一分銀の今の価値

現在、一分銀は古銭コレクター向けのアイテムとして取引されており、その価値は保存状態や希少性によって大きく異なります。一般的な一分銀は数千円程度で取引されることが多いですが、デザインや刻印に違いがある希少な手変わり品や、製造時のミスによるエラー銭などには、数万円から数十万円の高値が付くこともあります。

また、一分銀は発行時期や刻印の種類によっても市場価値が変動するため、種類の見分け方や真贋方法を知ることも大切です。

一分銀の種類と相場

先述したとおり、一分銀は発行した年代や地域の違いによっていくつか種類があります。ここでは6つの種類について、それぞれの特徴や相場を見ていきましょう。

1.天保一分銀

1837年に製造が始まった、一分銀のなかで最も時代の古いものが天保一分銀です。最初に発行されたため「古一分銀」とも称されており、流通量が多い一分銀でした。

天保一分銀は、表裏と側面の両方が、小さな桜の刻印で囲われているのが特徴です。銀が上質であることを示す「花降銀(はなふりぎん)」という名前を付ける案もありましたが、当時の老中である水野忠邦によって却下されたといういきさつがあります。

市場価値としては千円台が一般的ですが、状態が良いものや希少なものの場合、数万円以上の価格になることもあります。

2.庄内一分銀

庄内藩(現在の山形県)が藩独自で鋳造していた、希少性の高い一分銀です。「庄」の文字が表に、「三つ柏」のデザインが裏に刻まれており、デザイン面でもほかの一分銀とは異なります。

さらに、「跳分(分の2画目が跳ね上がっているもの)」や「長柱(裏面の「座」の「土」の縦線が長いもの)」という、字体に特徴のある種類が存在します。

発行が1868年(慶応4年)の56月というごく短い期間に限られていたため、現存数が非常に少ない種類です。コレクターの間でも高値で取引されており、通常でも五千円前後、状態が良ければ数万円から10万円以上の価格がつくこともあります。

3.安政一分銀

1859年(安政6年)から鋳造が始まった一分銀で、天保一分銀との違いを明確にするため、側面にヤスリがけが施されているのが特徴です。この特徴から、天保一分銀を「古一分銀」と呼ぶのに対し、「新一分銀」と呼ばれることもあります。

また、天保一分銀よりも銀の含有量が少なくなっている点も大きな違いです。銀の含有量を少なくしたのは、鎖国が解除された影響で、日本の銀貨と海外の低純度銀貨との交換を避けるための施策でした。

市場価値は数千円ほどですが、状態の良いものは数万円で取引されることもあります。

4.明治一分銀

明治政府によって、1868年から製造された一分銀です。江戸時代の一分銀とよく似たデザインですが、近代的な貨幣制度への移行期に作られたこともあり、やや希少性があります。

裏面の「常」の上3画が「川」の文字に似ているため、「川常一分銀」とも呼ばれます。また、外周の桜紋の一部に上下が逆になっている「逆桜」があり、これが明治一分銀を見分けるポイントの一つです。

市場価値は数千円から数万円で、コレクターの間では比較的高値で取引されています。

5.玉座一分銀

安政一分銀の一種で、裏面の「座」の字に小さな丸い玉が付いていることから「玉座一分銀」と呼ばれる種類です。この玉は、鋳型の修正や改造によるものと考えられています。

発行期間は1859年から1869年で、一般的な安政一分銀と比べると希少価値が高いため、コレクターの間で人気があります。市場価値は数万円で、保存状態が良ければさらに高額での取引が期待できるでしょう。

6.別座一分銀

幕府が管轄している貨幣の製造所(本座)ではない場所(別座)で製造したものが、別座一分銀です。諸藩が製造した、偽物の一分銀ともいえます。

財政難に陥った藩が発行した質の低い銀貨で、なかには銀の含有量が50%以下のものもあり、流通量も多かったのが特徴です。

流通量の多さや質の低さから、現在でも価値はあまり高くなく、相場は千円台から数千円程度と比較的安価で取引されています。

一分銀の見分け方

一分銀には複数の種類があり、それぞれに特徴があります。種類を見極めるには、刻印や側面の加工、デザインの違いを見ることがポイントです。

1.側面

一分銀の種類を判別するときのポイントの一つが、側面の仕上がりです。特に、ヤスリがけと桜の刻印の有無は重要なポイントになります。

まず、天保一分銀だけはヤスリがけがされていません。それに対し、安政一分銀と明治一分銀は側面にヤスリがけが施されているため、この違いを確認することで天保一分銀を容易に判別できます。

また、側面に刻まれた桜の刻印も一分銀の目立つ特徴です。天保一分銀を例にすると、側面の上下2箇所、左右3箇所に桜があしらわれています。ただし、明治一分銀の側面に桜の刻印は存在しません

2.逆桜の位置

どの一分銀でも、外周に刻まれた桜の刻印のなかで上下がひっくり返った「逆桜」を、一箇所は必ず見つけられます。この逆桜の位置は各時代の一分銀で異なるため、見分けるポイントの一つといえます。

各一分銀における逆桜の位置は、以下のとおりです。

  1. 天保一分銀:貨幣の下部
  2. 安政一分銀:貨幣の上部
  3. 明治一分銀:貨幣の中央部分

ただし、珍しい手変わり品では、通常とは異なる位置に逆桜が刻印されている場合もあるため、細かく確認することが重要です。

3.裏面の文字

一分銀の裏面に刻まれている文字は、「定」の一文字と「銀座 常是」です。このうち、「是」の文字の8画目と9画目が交差しているものは「交叉是(こうさぜ)」と呼ばれます。

この交叉是は、天保一分銀と明治一分銀にだけ見られる特徴のため、逆に交叉是がない場合は安政一分銀であると判断できます。

この交叉是の有無に加え、側面のヤスリがけや逆桜の位置を組み合わせて確認することで、天保一分銀・安政一分銀・明治一分銀をより正確に見分けることが可能です。

一分銀の真贋の見極め方

一分銀には偽物も多く存在するため、本物かどうかを見極めるポイントを知る必要があります。ここでは、真贋を判断するための方法を3つ紹介します。

1.重さを測る

本物の一分銀の重さは、天保・安政・明治のどの種類でも約8.6g前後です。偽物はこれより軽すぎたり、逆に重すぎたりすることが多いため、重さを計測することで判別の手がかりになります。

例えば、8g未満や9g以上のものは、本物の可能性が低くなります。ただし、偽物のなかには重さが本物と近いものもあるため、重さだけで偽物と断定するのは危険です。ほかの方法と組み合わせて総合的に判断しましょう。

2.デザインを確認する

本物の一分銀は、刻印が鮮明で細かい部分までしっかりと彫り込まれています。偽物は、これらの模様がぼやけていたり、彫りが浅かったりすることがほとんどです。

天保一分銀の場合、「一分銀」の文字の周囲に縦線の凹凸があり、側面には3つの桜の刻印が刻まれています。表面の文字の周りに縦線が入っていなかったり、彫りが極端に浅かったりするものは、偽物の可能性が高いといえるでしょう。

3.側面を見る

一分銀の種類を見分ける際と同様に、側面の加工は真贋の判断時でも重要なヒントです。

天保一分銀は側面にヤスリがけがされておらず、滑らかな仕上がりで、加えて桜の刻印が彫られています。一方、安政一分銀や明治一分銀には、しっかりとヤスリがけされた跡が残っています。そのヤスリがけは側面全体にわたっていて、光沢感があるのが特徴です。

ヤスリがけが施されていないものや、不自然に傷を付けてあるものなどは、偽物の可能性が高いといえるでしょう。

一分金との見分け方

一分銀とよく似た名前の一分金ですが、正式名称は「一分判金」という金貨で、一分銀と同じ「一分」の価値を持つ貨幣です。どちらも江戸時代に流通し、形状も似ていますが、いくつかの明確な違いがあります。

違いの一つが、素材やデザインです。一分銀は銀製で、表面に「一分銀」、裏面に「定 銀座 常是」と刻印されています。一方、一分金は金製で、表面に桐紋などの装飾が施され、真ん中に「壹分(いちぶ)」と刻まれています。そして、裏面にあるのは花押と「光次」の文字です。

一分銀は銀色、一分金は金色であるため、見た目だけで区別することができます。

一朱銀との見分け方

一朱銀は江戸時代に流通していた銀貨の一つで、当時の価値は一分銀の4分の1相当です。江戸時代の後期、商業の発展により小額貨幣の需要が高まったことで、一朱銀が誕生しました。

一分銀とのわかりやすい違いは、大きさと重さです。一朱銀は一分銀よりもサイズが小さくなっています。また、一分銀の重量は約8.6gですが、一朱銀の重量はその半分以下で、さらに種類によって約1.9g、約2.6gと異なっています。実際に手に取れば、一分銀との違いはすぐにわかるでしょう。

さらに、刻印のデザインも異なります。例えば、一朱銀の一種である文政南鐐(ぶんせいなんりょう)には、「以南鐐十六片 換小判一兩」と刻まれており、一分銀の「一分銀」や「定」の刻印とはまったく異なります。

高価買取につながる一分銀の手変わりやエラーとは

一分銀のなかには、通常の模様や字体ではない手変わり品や、製造過程で生じたエラー品が存在します。これらは希少価値が高く、コレクターの間で人気があるため、市場価格も通常のものより高くなりがちです。

ここでは、高価買取が期待できる代表的な手変わり品やエラー品について解説します。

1.ハネ分

一分銀の「分」の字の1画目が、通常よりも跳ね上がったデザインのものを「ハネ分」と呼びます。通常の一分銀とは異なる文字バランスであるため、コレクターの間で高値がつきやすいのが特徴です。

特に、ハネ分の明治一分銀は珍しく、1万円台で取引されるケースもあります。天保一分銀でも、ハネ分であれば通常の市場価値より数千円ほど価格が上がる可能性があるでしょう。

2.ハネ銀

一分銀に刻まれた「銀」の1画目が、大きく跳ね上がっているものを「ハネ銀」と呼びます。この手変わり品では、「分」の字の1画目も同時に跳ねているケースが多く、特にコレクターの間で人気の高い種類です。

流通量が少ないため、市場価格も高めになります。一般的な市場価値は3万円程度で、状態が良ければさらに高値が付くこともあります。

3.長柱座

一分銀の裏面に刻まれている「座」の字に入っている「土」の縦線が、特筆して長いものが「長柱座」です。

一分銀では、「土」の上に「口」と「人」の文字がある、古い字体の「座」が使われています。長柱座ではこの上の二文字の間を貫くように、「土」の縦線が長く伸びています。

流通量が少ないものなので希少価値が高く、コレクターの間では高価で取引されることがほとんどです。市場価値も3万5,000円ほどと比較的高値が付いています。

4.玉座

「座」の最後の1画に小さな玉が付いているものを「玉座」と呼びます。安政一分銀に見られる手変わり品です。特に珍しいデザインのため、高値での取引が期待できます。

一般的な市場価値は1万5,000円から3万円程度です。

また、表面に刻印された「一分銀」の「一」の右側に小さな玉が付いているものもあり、こちらは「玉一」と呼ばれています。玉座と玉一で市場価値に大きな違いはなく、どちらもコレクターに人気のある種類です。

5.切れ分

「分」の上部、1画目と2画目の間にわずかな隙間があるものが「切れ分」です。エラー品として扱われ、通常の一分銀よりも高値での取引が期待できます。

特に天保一分銀でよく発生しているエラーで、通常の相場より数千円ほど高く買い取ってもらえるでしょう。

なお、同じ「分」という文字について、1画目よりも2画目が長くなっており、上部分が「入」と見えるものを「入分」と呼びます。切れ分よりもさらに希少価値が高いとされる手変わり品で、市場価値は1万5,000円から3万円ほどです。

一分銀の買い取りならまねきやがおすすめ

一分銀は、江戸時代から明治初期にかけて流通した銀貨であり、日本の貨幣制度を支えたものでした。現在では古銭コレクター向けのアイテムとして取引され、一般的なものは数千円、希少な手変わり品やエラー品は数万円から数十万円の価値が付くこともあります。

一分銀は、製造された時代や場所、デザインの特徴などから複数の種類があります。見分け方としては、側面の加工の有無や逆桜の位置、細かな刻印の異なり、重さなどが重要なポイントです。

一分銀の買い取りを依頼する際には、信頼できる業者に依頼することが重要です。古銭の買取実績が豊富なまねきやでは、経験豊かなスタッフが一分銀の価値を正確に評価し、適正価格での買い取りを実施しています。

コレクターの間で人気の手変わり品やエラー品についても、専門知識を持つまねきやであれば、高値での買い取りが期待できます。もし、手持ちの一分銀を売却したいとお考えでしたら、まずはまねきやの無料査定をご利用ください。LINE査定にも対応しているため、気軽にご相談いただけます。

この記事の監修者

水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長

高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士

今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。 「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。