高価な宝石というイメージの強い翡翠(ひすい)。2016年には日本鉱物科学会が「日本の国石」に選定したことでも知られる、アジアで特に人気の高い宝石です。
翡翠といえば、半透明グリーンのカボション(半球)状の石をあしらったジュエリーが有名ですが、原石のオブジェ(置物)をお持ちの方も少なくないと思います。
そこでこの記事では、翡翠という宝石の概要をご説明しつつ、翡翠の原石の買取可否や高く売るコツについてご紹介します。翡翠やその原石の売却をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
翡翠とは?
古来、東洋を中心に多くの人に愛されてきた翡翠。「翡翠」という漢字表記は「ひすい」と読めるほか、「かわせみ」という読みも可能です。もちろん鳥のカワセミを意味しており、翡翠の石の美しさを「カワセミの羽のように美しい」と表現するためこの名が付けられたという有力な説があります。
翡翠の大規模な産地は世界に2か所あり、まず1か所目は多種多様な宝石が採掘されることで知られるミャンマーです。そしてもう1つは、日本の新潟県糸魚川市周辺。日本産の翡翠は、山岳地の翡翠峡まで探しに行くより、そこから川を通って流れ着く海岸沿いで見つけられることのほうが多いとされています。
翡翠は大きく分けて2種類
翡翠と呼ばれる石には、実は大きく分けて2つの種類があります。「硬石(ジェダイド)」と「軟石(ネフライト)」の2つの石がそれぞれ翡翠と呼ばれていますが、これらはまったく別の鉱石です。
・硬石(ジェダイド)
一般的に高級ジュエリーに使用されている翡翠のほとんどは、この硬石/ジェダイドです。希少性が高く、軟石よりも硬度が高く頑丈なため「本翡翠」と区別して呼ばれることもあります。
・軟石(ネフライト)
こちらはジェダイドと比較すると安価で入手も容易なため、古くは勾玉の材料として使われてきました。現代では、鉱物展示会などで開催される宝石おみくじ(宝石ガチャ)でよく使われます。
これらの2つの石は、鉱物学上はまったく異なる物質とされています。しかし色味や磨いたときの艶感がよく似ており、古来いずれも「翡翠」と呼ばれてきました。おもに高級ジュエリーに使われるのが硬石、パワーストーンブレスなどカジュアルアクセサリーに使われるのが軟石と覚えておくと良いでしょう。
翡翠は緑色だけじゃない?
半透明で鮮やかな緑色をした艶のある石が、翡翠のなかでももっとも価値が高いとされますが、緑色ではない翡翠も存在します。白や黄色や黒、オレンジや赤の翡翠もあり、特によく知られているものとして、「ラベンダー翡翠」と呼ばれる乳白色混じりの紫色の石があります。質の良いラベンダー翡翠は、場合によっては緑色の高級翡翠並みの高評価をされることも。
翡翠の原石は買取できる?
翡翠はジュエリーのほか、原石の形でも販売されることの多い宝石です。ご自宅に、置物や標本のような形の原石をしまってあるという方もいるのではないでしょうか。また、翡翠の原石は先に述べたとおり日本国内でも見つけることができるため、現地で偶然拾ったものを持っているケースもあるでしょう。
宝石買取の対象となっている翡翠には、ジュエリーに加工されたものだけでなく、原石も含まれます。このため、基本的には翡翠の原石も買い取ってもらえます。査定の段階で原石に含まれる良質な翡翠を見極め、ジュエリーなどに加工することを前提で買い取ってもらえる場合などは、とても高く売れることもあります。
ただし、どんな業者でも翡翠の原石を買い取ってくれるとは限りません。買取業者によっては、原石の買取は不可としている場合もあるため注意しましょう。
翡翠の原石を売却したいとお考えなら、まず業者選びの段階で原石の買取が可能な業者を選定することが重要です。
原石を買取可能としている業者は、買い取った原石を加工してジュエリーや宝石の形で再販売しています。このような再販売の仕組みを取り入れている買取業者は、原石に含まれる翡翠の価値をしっかり判断できる場合が多いでしょう。信頼できる買取業者を選び、納得できる価格での売却へつなげましょう。
翡翠の原石を高く売るためのコツ
ここからは、翡翠の原石をお持ちの方のために、原石の状態で翡翠を高く売るためのコツをご紹介します。
翡翠の原石の査定基準
翡翠の価値を決める際には、たとえばダイヤモンドの「4C」のように明確に設けられた基準はありません。しかし翡翠の場合、カラット(重量/大きさ)、カラー(色味)、透明度(内包物の少なさ)、そして艶といった要素が特に重要となります。濁りが少なく、とろみを感じる艶のある宝石へと加工できる可能性の高い原石が、特に高評価されるでしょう。
大きく色味が美しくても、翡翠の場合は特に濁りがあると安くなってしまうことがあります。
高く売れる翡翠の原石の特徴
翡翠の原石のなかでも、特に高い評価が期待できるのは、以下のような特徴を持った石です。
・保存状態が良い
翡翠は経年劣化しにくい石として知られますが、査定の際の手間を考えると保存状態は良いにこしたことはありません。買取を依頼する前に、ある程度きれいな状態にしておきましょう。
・鑑別書がある
ダイヤモンドに鑑定書があるように、翡翠のような色石には鑑別書が付属している場合があります。もしお手持ちの石に鑑別書が付いているなら、買取を依頼する際にも必ず添えておきましょう。
とはいっても、琅玕でなければ買い取ってもらえないという訳ではありません。GIA資格保有者など専門家の査定により、琅玕かどうかに限らず質の良い翡翠が含まれると判断できる原石は、思いのほか買取価格が高額になる場合もあります。
翡翠の原石は必ず買取専門店に買取を依頼しよう
業者によっては、原石の買取を不可としている場合もあります。宝石について専門的な知識を備え、価値を正しく判断できる鑑定士に適正な価格を提示してもらうには、やはり宝石の買取専門店に依頼することがおすすめ。特に原石の買取を積極的にアピールしている業者に注目し、依頼する業者を選定すると良いでしょう。
まとめ
翡翠は、その特徴や品質によっては非常に高い価格で買い取ってもらえる可能性のある宝石です。安く売ってしまわないためには、正しい査定が行え信頼できる買取業者を見つけることが何より重要になります。
特に翡翠の場合、可能であれば複数の買取業者に査定を依頼し、納得の行く売却先を決めることがおすすめです。
宝石鑑定士に査定を依頼する前に、インターネットを活用してかんたんな査定を行ってもらうという方法もあります。たとえばLINEやメールで画像を送り、おおまかな査定をしてくれる業者をいくつか選んで簡易査定の結果を集め、比較検討すれば業者選定の手間をある程度省けます。ご自宅に居ながら複数の業者に簡易査定を行ってもらい、もっとも高く評価してもらえそうな業者が見つかり次第、店舗を訪問し再査定という流れになるでしょう。
弊社まねきやも、LINEによる査定を行っております。まずはLINE査定でざっくりとしたお見積りを知っていただけますので、ご納得の上来店いただければ、さらにくわしい査定を実施いたします。
翡翠やその原石をお持ちで、売却を検討している方はぜひまねきやにご相談ください。宝石に関する高い知識を持つ宝石鑑定士が、正しい価値をご提示いたします。
この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。