「コーチ（COACH）」は、幅広い世代に支持されるブランドで、財布のほか、バッグやカードケースなど多数のファッションアイテムを展開しています。流通量の多さと手頃な価格帯が魅力であり、初めてのブランド品として手にする人も多いでしょう。

この記事では、コーチのブランドの歴史や人気の理由に加え、コーチの財布の買取価格、高く買い取ってもらうためのポイントを説明します。売却を考えている方はぜひ参考にしてください。

コーチとは？

コーチ（Coach）は、1941年にアメリカのニューヨーク・マンハッタンで皮革工房として創業したファッションブランドです。ブランドの名称はハンガリーの「コチ（Kocs）」という町に由来します。この町で世界初のサスペンション付き4輪馬車が作られ、快適な乗り心地が評判となって、町名に由来する「コーチ」という言葉が「大切な物を運ぶ」「目的の場所へ運ぶ」という意味で使われるようになりました。コーチのブランド名や馬車のロゴはここからきているとされています。

ブランドは、当初は年配の男性向けでしたが、のちに若者向けにシフト。1988年に日本に進出しています。「手の届くラグジュアリー」を掲げ、高品質な製品を提供するコーチは、ハンドバッグや財布、アクセサリーなど高い人気を得ており、世界中の人に愛されています。

幅広いアイテムがあり、シンプルなデザインから個性的なデザインまで多彩なバリエーション展開が魅力。機能性にも優れているため、日常使いにも適している点が大きな特徴です。

1.コーチの歴史とは？

1941年に設立され、長い歴史を持つコーチ。創業時は、マイルズ・カーンとリリアン・カーン夫妻、そして6人の職人による、小さな家族経営の工房としてスタートしました。

当初はマンハッタンの小さな倉庫で、牛革を使った財布やビジネスバッグなどのメンズ小物を手作業で製造していました。その後、徐々にその名前が広がり、1960年代にはバッグの製造を開始します。

デザイナーとしてボニー・カシンが就任し、「女性向けバッグ」をテーマに数々の革新的なデザインを生み出しました。特に1973年に発表されたダッフルサックは若者たちの間で大人気となりました。また、ターンロックやドッグリーシュといった、現在でもコーチの象徴となるデザインもこの時期に誕生しています。

2017年には社名を「タペストリー」に変更。ブランド名をそのまま残した「コーチ」のほか「ケイト・スペード」「スチュアート・ワイツマン」といったブランドを買収し、マルチブランド企業としてさらなる発展を遂げています。

2.コーチが日本で人気の理由は？

コーチが日本で人気を集めている理由は、毎月のように新作が発表され、ユーザーがタイムリーに購入できる点が挙げられます。また、素材の丈夫さとしっかりした縫製により、バッグや財布などのアイテムを長く愛用できることも魅力です。

加えて、コーチはデザイン性だけでなく機能性も重視しており、使いやすさが評価されています。他のハイブランドと比べて手に入れやすい価格設定も、幅広い層から支持を得ている理由でしょう。

さらに、コーチはミッキーマウスやスヌーピーなどの有名キャラクターや、バスキアやキース・ヘリングなどの人気アーティストとのコラボレーションを積極的に行ない、話題を呼んできました。それらを愛するファン層にもコーチの魅力が広がり、人気が一層高まっています。

アウトレット品と見極めることはできる？

コーチは、ブティックとアウトレット専用ラインの2つを展開しており、アウトレット向けには「COACH FACTORY」という店舗も存在します。アウトレット商品は、ブティック商品と比べると素材の質などが多少落ちますが、その分価格が安くなるのが特徴です。

商品がアウトレット品かブティック品かを見極める方法はいくつかあります。品番が「F」や「FS」から始まる場合や、品番プレートの右上に「◎」の刻印がある場合はアウトレット商品です。

そのほか、細かい仕上げ部分や付属品、価格や販売場所も、アウトレット品かどうかを見極めるポイントになります。購入時には、これらの点を確認することで、正確な商品選びが可能です。

アウトレット品はブティック品に比べて安価であり、買取価格も低めですが、多くの買取店で積極的に買い取っています。

オールドコーチとは

オールドコーチとは、おもに1980年代から1990年代にかけて製造されたコーチのヴィンテージアイテムです。オールドコーチの財布やバッグは、現行のモデルとは異なり、独自のクラシックなデザインや渋い魅力を持っています。また、優れた品質と手触りの良いレザーも魅力です。

オールドコーチの特徴1・グラブタンレザー

オールドコーチのアイテムには、「グラブタンレザー」が使用されています。この革は、野球グローブからインスピレーションを受けて開発されました。耐久性に優れ、使い込むほどに手になじみ、独特の風合いが増していくのが特徴です。厚みがありながらもやわらかく、長く使っても型崩れしにくいのが魅力です。

また、オールドコーチの多くはアメリカ製で、東南アジア製が多い現行モデルとは異なる魅力があります。特に製造工程にこだわるヴィンテージ好きの方には、重要なポイントかもしれません。

手頃な価格が魅力のオールドコーチですが、レトロでクラシックなスタイルを求める方から支持され、その価値は現在も衰えていません。種類や状態によっては、コレクターズアイテムとして高値で取引されています。

オールドコーチの特徴2・デザイン

オールドコーチの特徴の一つは、あらゆるファッションにマッチするシンプルで洗練された時代を超えて愛されるデザインです。

「コーチ」のロゴは控えめに刻まれており、コーディネートや人物を際立たせます。素材にはレザーが使われており、キャンバス地や派手な総柄（シグネチャー）ではなく、シンプルなデザインが主流です。

そのため、ブランドの存在感が控えめで、クラシックな印象を与えます。ブランド品を持ちたいものの、シグネチャーなどの総柄に抵抗があるという方でも、手に取りやすいアイテムです。

コーチの財布の種類別買取相場

コーチの財布は、良品質のアイテムを手頃な価格帯で提供しており、ハイブランドと比べると定価が安い傾向にあります。

そのため買取相場も低めで、数百円から数千円の範囲で取引されることが一般的です。特に、一般的なモデルや使用感が強いものは買取価格が下がるでしょう。

一方、コーチの財布には、エンベロープタイプ、ソフトウォレットタイプ、アコーディオンタイプなどがあり、いずれのタイプでもシグネチャー柄やタビー、クロスグレインレザーが特に人気です。これらの人気モデルは、状態が良ければ5,000円程度の買取価格が期待できます。

そのほか、コーチの長財布の買取相場はおおよそ1万円前後です。オールドコーチなどのヴィンテージアイテムも一定の需要があり、状態やモデルによっては高額で売れることもあります。

コーチの財布の買取価格が安いといわれるのはなぜ？

コーチのアイテムは、日本では馴染みのあるブランドで、ハイブランドより手頃とはいえ決して安価な商品ではありません。にもかかわらず、買取価格が低いといわれることがある理由はおもに次の3つです。

1.アウトレットがある

先ほど紹介したとおり、コーチにはアウトレットラインがありますが、これが買取価格相場を下げる要因になっています。アウトレットでは、定価よりも大幅に割引された価格で販売されるため、新品の価値が下がりやすくなります。

例えば、正規店では10万円のバッグが、アウトレットでは5万円以下で購入できる場合も珍しくありません。このような価格差により、中古市場での価値も低くなりがちです。

さらに、コーチではアウトレット専用の商品も販売されており、これが価格をさらに引き下げる要因となっています。アウトレット用に特別に製造された商品もあり、タグでアウトレット品と分かるため、新品の基準が下がってしまうのです。

2.並行輸入品が多い

並行輸入品の流通量が多いことも、コーチの財布が安く買い取られる理由です。並行輸入品が多いと、市場全体の価格が下がりやすくなり、正規店で購入した商品も影響を受けます。例えば、ブティック品の財布が新品で販売されていても、同じ商品が並行輸入品でかなり安く売られているために、結果として市場価値が下がるといったケースです。

新品商品の市場価値が下がれば、中古品の価格もその分下がります。特にコーチは、他のブランドに比べて並行輸入品やアウトレット商品が多く流通しており、買取価格の低下につながっています。

3.市場に多く流通している

コーチの財布の買取価格が安くなる理由には、流通量の多さも挙げられます。コーチは、購入しやすい価格帯をコンセプトにしているうえ、毎月のように新作を出すため、商品が市場に大量に流通します。結果として、中古市場に出回るコーチのアイテム数も多くなりがちです。

供給が需要を上回ると、商品の価値が下がります。コーチのバッグは人気がありますが、購入後に手放されることも多いため、供給過多になることがあります。結果、店舗同士の価格競争によって中古価格が下がり、それに応じて買取価格も安くなるわけです。

コーチの財布を高額買取してもらう方法

コーチの財布を高額買取してもらうためには、いくつかのポイントがあります。

1.状態を良好に保つ

高額買取のポイントの一つは、状態を良好に保つことです。目立つ汚れやシミがなく、使用感が少ないほど価値が高くなります。

革製の財布は、気温や湿度によってカビが発生しやすくなるため、温度変化や直射日光を避け、湿度が低い場所で保管するのが理想です。また、財布はホコリや革のタンパク質がカビの原因になるため、定期的に掃除をし、シミやほつれができないように注意しましょう。香水などの匂いが付くと評価が下がることもあるので、見た目だけでなく匂いにも注意が必要です。

メンテナンスをする際は、財布本体を乾いたやわらかい布で優しく拭き、金属部分の指紋や皮脂もきれいに取り除くのがポイントです。

2.付属品をそろえる

コーチの財布の査定額を少しでも上げるためには、付属品をすべてそろえておくことが重要です。正規店で購入すると、箱や保存袋、説明書、ギャランティカードが付いてきますが、これらの付属品がそろっていると、中古市場での価値が高くなります。査定前に付属品がそろっているか確認しておきましょう。

また、ギャランティカードにはアウトレット品かブティック品かを識別する情報が含まれていることがあるため、あると有利です。さらに、チャームやショップ袋などが手元に残っている場合は、一緒に査定に出すとより高額で買い取られる可能性が高くなります。

3.人気のモデルを選ぶ

生産数が限られる限定版や特別コレクションのアイテムは、コレクターからの需要が高く、一般的なモデルよりも高値で取引されます。また、状態が良ければさらにその価値が上がります。

人気のシグネチャーラインや期間限定のコレクションなどは、特に需要が高く、買取価格も高くなる傾向があります。購入する際は希少性も意識しておくと、手放すことになったとき高額買取されやすくなります。

4.複数の買取業者を比較する

複数の買取店で査定を受けることも、より高値での取引を実現させる方法です。買取店によって同じ財布でも査定額が大きく異なることがあるので、複数の店に無料査定を依頼してみましょう。

複数の店舗で査定を受けて金額を比較することで、より高額での取引を実現しやすくなります。オンライン査定を利用すると、手軽に複数の業者の比較が可能です。

5.セール時期を狙って売る

一般的に、クリスマスやバレンタインデーなどの特定の季節やイベント前にはファッションアイテムの需要が高まります。こうした時期に売却することで、より高い買取価格が期待できます。また、新しいコレクションの発表前後はブランドへの関心が高まり、既存の製品の需要も増すため、売却に適した時期です。

さらに、買取業者が実施するキャンペーンやセール期間も狙い目です。これらの期間中は通常よりも高い査定額がつくことが多いので、なるべく高値で売りたい方は、定期的に情報を確認しておきましょう。

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