株や外貨への投資に注目が集まっていますが、価値が落ちにくいといわれる「金」を投資先として活用している方、したいと考えている方も多いでしょう。 情勢の変化でさまざまな物品の価格相場が不安定になっている昨今ですが、金の相場は現状どんな状況にあり、今後どう動くと予測されているのでしょうか。 今回は現在の金の相場についてご紹介しながら、金の価格が変動する要因や今後の見通しなどまで解説いたします。ぜひ、ご参考にしてください。
最新の金相場について
まずは金の最新の価格と、過去からの価格推移についてご紹介します。 弊社まねきやの取引実績を例に挙げると、2022年10月6日に金を1グラムあたり8,726円で取引した実績がございました。(参照:https://manekiya.shop/rate_list/) 上記の実績を、過去5年前に遡った取引実績と比較してみましょう、2017年1月に、金1グラムあたり4,444円での取引実績がございます。この2つの価格を比較すると、2017年と比較し5年後の現在では「約1.96倍」も、金の価格が上昇していることになります。 日々相場を負っていても気づきにくいものですが、わずか5年でほぼ2倍の価格まで上がったことになるのです。
金相場が変動する要因
金の価格は、どのような背景や要因によって上がったり下がったりしているのでしょうか。ここでは、金の価格が「上がる場合」と「下がる場合」について、それぞれ貨幣価値や経済情勢の変動に絡めながらご説明しましょう。
金の価格が上がる要因
金の価格が上がるのは、もっとも影響力の大きい通貨である米ドルの価値が下がっているタイミングです。インフレへの懸念など、経済不安が加速して世界情勢も不安定となり、株や外貨など実体をともなわない投資先への信用が不透明になるため、金利が低くなります。 このような社会的・経済的背景によって、実物としての資産を保有したいという需要が高くなるため、実物である金の価格が上がることとなります。
金の価格が下がる要因
金の価格が下がるのは、反対に米ドルの価値が上がったタイミングです。インフレへの懸念も薄まり、経済不安が一段落して落ち着きます。それにともなって世界情勢も安定し、株や外貨への投資が活発になることで金利も上がるでしょう。 さまざまな情勢不安が少なくなることで実物資産への需要が低くなり、金の価格は安くなります。 金の強みは「実物をともなう資産」であることといえるでしょう。実物をともなわない株や外貨などは、株の発行元である企業や通貨の発行国が破綻すると一瞬にして価値を失ってしまいます。その反面、実物である金は国や企業の情勢によって価値が簡単になくなってしまうことがありません。 このため国や企業に影響を及ぼす社会不安が募ると、投資家は金を買いに走るといわれています。「社会情勢・経済情勢が不安定な時は金が高くなる。その反対の状況では金は安くなる」と覚えておくとよいでしょう。
今後の金相場の見通しは?
前の項目では、金が高くなる状況と安くなる状況についてご説明しました。ここでは、その上で今後の金の価格の見通しがどうなっていくかを、ある程度ざっくりと予測してみましょう。
短期的には下落する予想もされている
直近の状況では、新型コロナウイルス感染症への不安要素が大きい状況が長期的に続いていたため、金の価格も長きにわたり上昇を続けていました。しかし、コロナ禍がある程度落ち着いてきたため、そのタイミングにある現在はすでにやや価格が下落しつつある傾向です。 前の項目でも述べた、金の価格が下がる要因を満たす動きがしばらくは大きくなりそうだと考えられ、あくまで短期的に見れば金の価格は下落するという見通しも立てられそうです。
しかし、長期的には上昇すると予想できる
喫緊では、金の価格は下がるという予測が立てられることをご説明しました。とはいっても、そのまま金の価格が下がり続けることはおそらくないとも同時にいえます。 金の価格は一時的に下がりはしても、以下3点の理由によって長期的に見るとまた上がっていくことが予測できるのです。 ・金は有限の資産であること 地球上での金の埋蔵量には限りがあり、無限に産出し続けることはできません。限りある資産であり、かつ今後も採掘が続いて埋蔵量が減っていくことを考えると、それにつれて価値も上がっていくことが想定できます。 ・金の需要は資産としてだけではないこと 金は資産としてだけでなく、さまざまな宝飾品や美術工芸品などにも用いられる貴重な素材です。また、スマートフォンなどの電子機器の内部に用いられる「希少金属」、つまり資源としての一定の需要も継続的に見込まれるでしょう。したがって今後、金の需要が突然ゼロになるなどという可能性はまずないと思われるのです。 ・人工的に作り出すのことが難しいこと 希少性の高い鉱物や金属のなかには、人工生成できるものもあります。金も人工生成が可能な金属の1つですが、実際に作るとなると核反応を用いた非常に大がかりな手法が求められます。金1グラムの生成に気が遠くなるほどの労力とコストを割くことになるともいわれるだけに、金の人工生成は正直なところあまり現実的ではありません。 人の手で容易に作り出せない金は今後も希少金属であり続けると考えられ、引き続き高い価値で取引されることが予測できます。 ここ数十年で見ても、金の価格相場は散発的に小幅の下落がありつつ、長期では確実に上昇する様相を見せています。また近年は度重なる大規模災害や国際紛争、そして長期にわたるコロナ禍による情勢不安を経験しており、投資家たちの有事に備える意識はぐんと高まったと思われます。これらの要素はすべて金の価格を上昇させる要因ともいえますので、やはり長期で見ると金の価値はまだまだこれからも上がり続けるという見方ができるでしょう。
まとめ
長期化したコロナ禍での混乱がひとまず落ち着き、その有事に際して高騰した金の価格は現在、一時的に下落の様相を見せています。しかし世界でこれから予測される情勢変化は、ほとんど金の価格上昇を招く要因となるものでもあります。このため金相場の見通しとしては、長期的に上がっていくことが予想できるでしょう。 しかしそうはいっても、その予測も確実なものではありません。今後経済情勢が落ち着くこともあったと思えば、次には急に紙幣の価値が上がるなどの事態もあり得ます。金に限らない話ですが、資産の相場はいつでも不確実性が高いものと考えなければなりません。 以下リンクで、弊社における直近1か月の取引実績推移を見ることができます。こちらを参照いただいても分かるとおり、相場の目安は上がったり下がったりを続けている状況です。 (参照:https://manekiya.shop/rate_list/ ) 金の価格は、ずっと上がり続けたりずっと下がり続けたりすることはなく、つねに変動しているものです。売ろうと思っていたタイミングをうっかり逃したまま急に価格が下がってしまい、「あの時売っていたら……」と後悔することも考えられるでしょう。 このため、金の取引をする際は周囲がいう「売り時」ばかりをあまり意識しすぎないほうがよいともいえます。ご自身が納得する金額になったら、そのタイミングを逃さずに売るのが一番よいでしょう。 金の売却をお考えで、相場に関することなどご不明点があれば、ぜひまねきやまでお問い合わせください。金の相場を熟知した専門性の高い担当者が、都度ご相談に応じます。
この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。