「最近、金が安定して高くなっていると聞いたので純金による投資を始めたい」「でも、手元に純金を置いておくことは色々な点で不安が大きい」「手軽に金の投資を始められる方法はないだろうか?」……このようなお悩みをお持ちではありませんか? 現在では「純金積み立て」という、気軽にできる金への投資が注目を集めています。
この記事では「純金積み立て」の概要や利用方法をわかりやすくご説明し、そのメリットやデメリットをくわしくご紹介します。メリットはもちろんデメリットも頭に入れ、かしこく純金投資を始めてみませんか?
純金積み立てとは
純金積み立てとは、その名前のとおり毎月金を購入し、その購入額を積み立てていくことによって行う投資を目的とした金融商品です。
「毎月金を買うとなると保管場所を確保する必要があるし、防犯上大丈夫?」と思う方もいるかもしれません。しかし、そのような心配は無用です。純金積み立てでは、金を購入しても毎月金の実物が家に届くというわけではありません。購入した純金は、自宅ではなく販売元の証券会社で管理をしてもらうこととなっています。
純金積み立ての良い所として1番に挙げられる点は、損失があっても株式のように価値がゼロにはならないことです。金の実物を所持していてもそれは変わりませんが、防犯のために割く手間やコストが発生しがちです。純金積み立てなら、その心配もありません。
このように、さまざまな面において純金積み立てはリスクの少ない金融商品といえるでしょう。長期的な運用がおすすめの投資手段ともいわれていて、月額1,000円など小額からの購入も可能です。
純金積み立てのメリット
まずは、純金積み立てのメリットからご説明しましょう。純金積み立てを利用することで、以下のような利点が期待できます。
小額から始められる
先にも少し述べましたが、1,000円程度の手頃な価格から始められるのが純金積み立ての大きな特徴です。仮に、金の延べ棒などを実際に購入することを考えるとすると、ある程度まとまった金額が必要になってしまいます。しかし純金積み立てなら、実物を入手して始めるわけではないため、安い金額から気軽に投資することができるのです。長期の投資にも向いており、家計などへのリスクをあまり気にすることなく、コツコツ型の資産形成を計画できるというわけです。
ドルコスト平均法の効果を得られる
純金積み立てでは月額の支払いを決めておき、価格によって購入量を調整することが可能です。この方法を「ドルコスト平均法」といいます。
金の価格が高くなったタイミングでは少量を購入し、価格が低くなったときには多く購入するという仕組みとなっています。これでドルコスト平均法の効果が適正に得られるため、価格変動にともなうリスクを抑えることができるのです。
スポット購入もできる
純金積み立てでは、通常は月ごとの購入額を定めるドルコスト平均法に基づいて金を購入します。しかし、資金に余裕がある際や金の価格が下がっている際には、スポットで任意の追加購入を行うことも可能です。このように、柔軟な運用ができる点も純金積み立ての大きなメリットの1つといえるでしょう。
金の管理が不要
金の実物を自宅に置かなくても良い点は、見逃しがちですが重要なメリットといえます。金の実物を購入してしまうと、その管理を自分自身で行わなければならなくなります。まとまった分量を購入した場合、スペースの確保や防犯管理のことを考えねばならなくなる点は、想像しているよりも大変なはずです。
純金積み立てでは、金の現物管理は運営会社(証券会社)に行ってもらえます。突然ご家庭に金が届いて、自分たちでその管理をしなければならなくなるという事態にはなりません。
返還は金の実物でも受けられる
貯まった金を受け取る方法が選べる点も、純金積み立てのメリットです。証券会社によりますが、金銭か金の実物かどちらかを選んで返還を受けられる場合も多いため、ちょっとしたお楽しみになるかもしれません。金貨に変換してくれる証券会社もありますので、どこの運営会社で純金積み立てを行うか検討する際、その選択肢が豊富な所を選ぶのも良いでしょう。
純金積み立てのデメリット
多くのメリットがある純金積み立てですが、金融商品だけにデメリットがないわけではありません。それも知っておくことが、かしこく金を運用するためのポイントになります。
配当や利子がない
純金積み立てでは、株式で発生するような配当金や利子(いわゆる「インカムゲイン」=資産を保有しているだけで得られる利益)が生じることはありません。一時金を当てにして運用し、大きな利益を出すという方法にはあまり向いていないといえます。あくまで「コツコツ投資」と割り切り、計画的かつ地道に資産を増やしていく使い方が適していると考えられるでしょう。
手数料がかかる
金は、購入する際に手数料がかかりますし、商品によっては年会費がかかる場合もあります。この手数料や会費を意識して投資をしなければ、想定していたような資産形成につながらない可能性もあるため注意しなければなりません。
利回りを確認したり、積み立てする理由を考えたりして、本当に純金積み立てをするべきなのかよく考えたほうが良い場合もあるでしょう。特に、短期間で大きな利益を出したいという場合、純金積み立ては方法としてあまり向いていない可能性があります。
特に金市場は、株式などと比較すると価格変動が小さいという特徴があるため注意が必要です。この側面からも短期間での利益は出しにくいといえますので、計画的な運用が肝になってくるでしょう。
適時に取引ができない
純金積み立てのデメリットとして、リアルタイムで売買ができないという点も挙げられます。安いときに多く購入しておいて価格が上がったタイミングで売却したいと思っても、その都度取引を行うということができません。購入のタイミングや金額はある程度制限されてしまいますので、それを踏まえて貯金替わりのように金を持っておくという感覚での運用がおすすめです。
まとめ
この記事では、金を持たずに少しずつ買って積み立てられる「純金積み立て」について、その概要や利用方法、メリット・デメリットをご紹介しました。
金は価値がゼロになることなく、安定した運用が可能です。投資を始めたいけれどまったくの初心者で自信がないという方や、短期間で大きな利益を出すより地道に資産を増やしていきたいという方には特におすすめでしょう。あるいは、あまり投資を意識せずに少しずつ金を買っておき、ある程度貯まったタイミングでご褒美代わりに金貨に替えてもらうなどの活用法も良いと思います。
純金積み立てを上手に活用するコツは、なんといっても「目先の価格変動に一喜一憂せず、焦ることなく積み立てを続けること」でしょう。ある程度価格が上がっても下がっても、慌てずにコツコツ手元の資産を殖やしていくことを意識してください。
「何年か経ったあと、いくらぐらい貯まっていれば良いか」あるいは「○年後にどのくらいの金を保有したいか」などをあらかじめ計画し、それをめざして長期的に目標設定をしましょう。その上でさまざまな純金積み立てサービスを比較し、ご自身に最適なものを選定してください。
この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。