「記念硬貨」は発行枚数が限られているため、コレクターズアイテムとして人気があります。希少性や素材によっては高値が付くこともあるため、持っている記念硬貨の売却を検討している方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、国内外で発行された記念硬貨のなかから、価値が高いとされているものを紹介します。また、記念硬貨を高額で買い取ってもらうためのコツなどについても解説します。
「記念硬貨の価値を知りたい」「高く買い取ってもらいたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
■記念硬貨とは
記念硬貨とは、さまざまなイベントや節目、歴史的な出来事やお祝いごとなどを記念して国内外で発行される硬貨のことです。「記念コイン」や「記念貨幣」とも呼ばれており、イベントなどの運営費を調達する目的で発行されることもあります。
日本初の記念硬貨は、1964年の東京オリンピックを記念して発行された100円銀貨と1,000円銀貨の2種類でした。
記念硬貨は通貨として認められているため、お店や銀行では通常の硬貨と同じように使用できます。その際の価値は額面どおりのため、「1万円」と表記されている記念硬貨であれば、1万円分の買い物ができるということです。
一方で、記念硬貨は通常の硬貨とはデザインや素材が異なり、枚数も限定されています。そのため、コレクターの間では額面以上の金額で売買されることも少なくありません。
■国内で発行された価値のある記念硬貨12選
ひとくちに記念硬貨といっても、多くの種類があります。希少性の高さなどにも違いがあり、すべての記念硬貨に高い価値が認められているわけではありません。
ここでは、なかでも価値が高いとされている日本の記念硬貨を紹介します。
◇東京2020オリンピック競技大会記念硬貨
2020年に開催予定だった東京オリンピックのために発行された記念硬貨です。新型コロナウイルス感染症が拡大した影響で実際の開催は2021年になりましたが、硬貨には「2020」と刻印されています。
前回のオリンピック開催地「リオ」から大会を引き継いだことを記念するもののほか、「第一次」から「第四次」までの4回分が発行されました。1万円金貨と1,000円銀貨、複数の金属を組み合わせた500円のバイカラー・クラッド貨幣と100円クラッド貨幣の4パターンが存在します。競技を表すデザインなど図柄のバリエーションが豊富で、パラリンピックの記念硬貨も含めると、全部で39種類あります。
◇天皇陛下御即位記念硬貨
2019年に、今上天皇徳仁陛下の御即位を記念して発行された硬貨です。1万円金貨と500円バイカラー・クラッド貨幣の2種類があります。今上天皇のお印である梓と、皇后のお印であるハマナスが描かれているのが特徴です。
1万円金貨の発行枚数は5万枚で、純金製のため額面を大幅に上回る価格で取引されています。
◇天皇陛下御在位記念硬貨
上皇明仁陛下が1990年に天皇として御即位されたあと、御在位の節目ごとに発行された記念硬貨です。
1999年の10周年記念には、1万円金貨と500円白銅貨があります。2009年の20周年記念には1万円金貨と500円ニッケル黄銅貨、2019年の30周年記念には1万円金貨と500円バイカラー・クラッド貨幣がそれぞれ発行されています。
◇2005年日本国際博覧会記念硬貨
2005年に愛知県で開催された万国博覧会「愛・地球博」の記念硬貨です。1万円金貨と1,000円銀貨、500円ニッケル黄銅貨の3種類があります。
表面はいずれも地球と自然をモチーフにした異なるデザインですが、裏面の図柄は共通で博覧会のシンボルマークと大地がデザインされています。
◇新幹線鉄道開業50周年記念(北海道新幹線)硬貨
新幹線の開業50周年を記念して発行された、9種類の硬貨のうちの一つです。100円のクラッド貨幣で、北海道新幹線の車両「H5系」が描かれています。
2016年に301.6万枚発行されましたが、当時は北海道新幹線の開通直後だったため申し込みが殺到し、入手できなかった方も多かったようです。
◇世界自然遺産貨幣セット(小笠原諸島)
2012年に、小笠原諸島が世界自然遺産に登録された記念に発行された貨幣セットです。未使用の1円から500円までの通常硬貨6種類がセットになっており、プラスチックケースに組み込まれています。小笠原諸島ならではの自然や生物を紹介する写真で彩られた、特製ケースに収められているのが特徴です。
◇日本国憲法施行70周年記念メダル
日本国憲法の施行から70周年となる、2017年に発行された記念メダルです。表面には国会議事堂と鳩、裏面には日本国憲法の原本がデザインされています。
純金製で直径が50mmと28mmのもの、純銀製で55mmと44mmのものの計4種類に加え、直径100mmのメダルも超限定版として製造されました。
◇皇太子殿下御成婚記念硬貨
1993年に、皇太子殿下(今上天皇)が御成婚された際に発行された記念硬貨です。表面のデザインが異なる5万円金貨と5,000円銀貨、500円白銅貨の3種類があります。
純金製の5万円金貨は特に価値が高いとされており、買取相場は額面の3倍以上になっています。
◇国際花と緑の博覧会記念硬貨
1990年に大阪で「国際花と緑の博覧会」が開催されたことを記念して発行された、5,000円銀貨です。表面には人間の生活と自然界・植物界との調和を表した花冠の少女、裏面には博覧会のシンボルマークが描かれています。
◇天皇陛下御在位60年記念硬貨
昭和天皇の御在位60周年を記念して、1986~1987年に発行された硬貨です。10万円金貨と1万円銀貨、500円白銅貨の3種類があり、表面のデザインがそれぞれ異なります。
日本の記念硬貨に金貨が採用されたのは、このときが初めてです。10万円金貨の取引価格は、額面の2倍近くになることもあります。
◇2002FIFAワールドカップ™記念硬貨
2002年に日韓共同で開催された、FIFAワールドカップの記念に発行された硬貨です。同大会は21世紀になって初めてのワールドカップであり、アジアでは初の開催でした。そのため、日本国内でも大いに盛り上がりを見せ、この記念硬貨も注目を集めました。
1万円金貨と1,000円銀貨、500円のニッケル黄銅貨が発行されており、500円のものには3種類のデザインがあります。
◇東日本大震災復興事業記念硬貨
2011年に発生した東日本大震災の復興事業を記念して、2015年と2016年に発行された硬貨です。復興事業の資金に充てる「個人向け復興応援国債」の購入特典として贈呈されたほか、復興への機運を高める目的で販売されました。
「第一次」から「第四次」の計4回にわたって発行されており、1万円金貨と1,000円銀貨の2種類があります。第一次以外は表面のデザインが一般公募で決められた点が特徴で、それぞれに復興や人々の絆をイメージさせるデザインが採用されました。裏面には、いずれも「奇跡の一本松」と鳩が描かれています。
■海外で発行された価値の高い硬貨10選
コレクターから注目されている記念硬貨があるのは、日本だけではありません。海外で発行された記念硬貨も高額買取につながる可能があります。
ここからは、価値が高いとされている海外の記念硬貨を紹介します。
◇アメリカ イーグル金貨
アメリカ合衆国で発行されているイーグル金貨は、200年以上の歴史がある金貨です。現在では、「イーグル金貨」と呼ぶ際には、1986年以降に製造された地金型金貨のことを指します。重さの異なる4種類があり、大きいものから1・1/2・1/4・1/10オンス、額面は50・25・10・5ドルです。
なお、一般的な地金型金貨が純金(24金)であるのに対し、イーグル金貨には純度91.67%の22金が使われています。
◇カナダ メイプルリーフ金貨
メイプルリーフ金貨は、1979年からカナダ王室造幣局が発行している地金型金貨です。国際的に信頼性の高い法定通貨であり、金貨としては世界一の流通量を誇ります。世界初の純度99.99%以上の金貨としても知られており、投資目的で購入する方も少なくありません。大きいものから1・1/2・1/4・1/10・1/20オンスの5種類があり、額面は50・20・10・5・1カナダドルです。
◇イギリス ソブリン金貨
ソブリン金貨は、200年以上前から発行されているイギリスの法定通貨です。かつては国際通貨としての役割も担っていたため、数多く流通していました。現在でも発行が続けられていることから、コレクターズアイテムとしての価値は高くありません。
ただし、ヴィクトリア女王の1841年銘など、歴史的価値が高く希少な年号のものは高額で取引されています。
◇オーストラリア カンガルー金貨
カンガルー金貨は、オーストラリアのパース造幣局が1986年から毎年発行している地金型金貨です。表面にはこれまではエリザベス2世で今後はチャールズ3世、裏面にはカンガルーが描かれています。
カンガルーのデザインは毎年変わるため、コレクターズアイテムとして人気があります。ただし、デザインにカンガルーが採用されたのは1990年からであり、初期に発行されたものには描かれていません。
カンガルー金貨には5種類のサイズがあり、大きいものから1・1/2・1/4・1/10・1/20トロイオンスで、額面は100・50・25・15・2オーストラリアドルとなっています。
また、1㎏の重量で3,000オーストラリアドルという特別サイズのものも発行されており、こちらは毎年同じカンガルーのデザインです。
◇南アフリカ クルーガーランド金貨
クルーガーランド金貨は、1967年から南アフリカ共和国の造幣局が発行しています。本格的な地金型金貨の先駆けといわれており、世界中で広く流通していました。日本でも一時的に人気を集めましたが、現在では限定品としてわずかな枚数しか流通していません。
クルーガーランド金貨は純度91.67%の22金でできており、銅を含んでいるためわずかに赤みがかっているのが特徴です。大きいものから1・1/2・1/4・1/10オンスの4種類があります。
◇中国 パンダ金貨
パンダ金貨は、1982年から中国で発行されている純度99.99%の地金型金貨です。表面にジャイアントパンダが描かれているのが特徴で、前述のカンガルー金貨と同じく毎年デザインが変わるため、コレクターズアイテムとして人気があります。
サイズは大きいものから1・1/2・1/4・1/10・1/20オンスの5種類があり、額面は500・200・100・50・20元です。
◇ロシア ソチ2014オリンピック冬季競技大会公式記念コイン
2014年に開催されたソチオリンピックを記念して、ロシアのサンクトペテルブルク造幣局が鋳造し、ロシア連邦中央銀行により発行されたコインです。50ルーブルの純金製コインと、3ルーブルの銀製(スターリングシルバー)コインがあります。
表面には大会の競技をモチーフとした図柄が描かれており、全34種があります。日本では、金貨3種(フィギュアスケート・アイスホッケー・スキージャンプ)と銀貨3種(フィギュアスケート・カーリング・ノルディック複合)が数量限定で販売されました。
◇フランス ヘラクレス銀貨
ヘラクレス銀貨は、フランスで発行された5フラン銀貨です。第一共和政だった1795~1796年と第二共和制の1848~1849年、第三共和制の1870~1889年にそれぞれ発行されています。いずれも、表面にはギリシア神話の英雄ヘラクレスと自由の女神、平等の女神が描かれています。
◇イタリア 第一次世界大戦終結10周年記念銀貨
第一次世界大戦の終戦から10年目となる1928年に、イタリアで発行された20リラの記念銀貨です。表面にはイタリア国王ヴィットリオ・エマヌエレ3世、裏面には古代ローマにおける権威の象徴である「ファスケス」という装飾された斧がデザインされています。
銀の純度は60%とやや低めですが、発行枚数が5,000枚と希少なため、状態が良いものは高値で取引されます。
◇メキシコ リベルタード金貨
リベルタード金貨は、1981年よりメキシコで発行されている地金型金貨です。メキシコ独立記念のシンボルとなっている「勝利の女神」のほか、メキシコを象徴する火山や紋章が描かれており、美しいデザイン性と質の良さが世界的に高く評価されています。
年によって発行枚数にばらつきがあるため、枚数が少ない年度のものにはプレミアが付くことがあります。
■記念硬貨の価値はこれから上がる?
記念硬貨の価値は、発行枚数や保存状態、市場での需要などに左右されます。基本的には、希少性が高く保存状態が良いほど高く評価されると考えればよいでしょう。また、歴史的価値が高まるにつれて、価値が上昇する傾向もあります。
一方で、近年は記念硬貨のコレクターが減っているともいわれています。そのため、以前は高く評価されていたものの、価値が下がってしまっている記念硬貨もあるようです。
■記念硬貨を高額買取してもらうコツ
ここからは、記念硬貨を高値で買い取ってもらうためのコツを紹介します。
◇状態を良好に保つ
記念硬貨の買取価格は、その状態に大きく左右されます。傷や汚れ、変色などが少ないほど買取価格は高くなります。保管方法に注意して、できるだけオリジナルの状態を保つようにしましょう。
具体的には、直射日光を避けられる湿気の少ない場所に保管します。布で磨いたり、薬剤などで手入れしたりすることは、かえって価値を下げる原因になる場合があるため避けましょう。
◇付属品はセットにする
記念硬貨の多くには、専用のケースや説明書などが付属しています。買取査定では、これらの付属品が一式そろっていると高く評価されることがあります。特に、限定品や記念セットの場合には、セット品がすべてあれば高額買取が期待できます。
◇複数の買取業者に査定してもらう
依頼する買取業者によっては、記念硬貨の買取価格に大きな差が出ることもあります。できるだけ高く買い取ってもらうためには、複数の買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。査定結果を比較して、納得のいく価格での売却を目指しましょう。
■記念硬貨をネットオークションに出品する際に知っておくべきこと
記念硬貨を売却するには、ネットオークションに出品する方法もあります。ここからは、ネットオークションを利用する際に知っておきたい注意点を紹介します。
◇額面以上の価格でも販売できる?
記念硬貨は、額面以上の価格で販売しても違法ではありません。しかし、相場からかけ離れた価格設定は、購入希望者を誤認させる可能性があるので要注意です。
あらかじめ買取価格の相場を調べ、適正な価格で出品することを心がけましょう。
◇現金書留以外の郵送はNG?
現在も通常の貨幣として使用できる記念硬貨は、現金書留で郵送しないと違法になります。一方、貨幣として使えない古い時代のものは、現金書留以外での発送も可能です。
とはいえ、高価な記念硬貨を郵送する場合には、損失や盗難のリスクを避けるためにも現金書留や保証付き郵送サービスの利用をおすすめします。送料は高くなってしまいますが、安全で確実な取引のためにも、適切な配送方法を選びましょう。
◇相場よりも安く買取される可能性がある
ネットオークションでは、相場よりも高く売れる可能性があります。一方で、期待した価格では売れないかもしれません。市場の需要やタイミングを考慮しつつ、出品前に相場を調査することが大切です。
適正価格で買い取ってもらうには、買取業者を利用するのがおすすめです。
■記念硬貨の買い取りは「まねきや」がおすすめ
記念硬貨の売却を検討の際は、高価買取専門店「まねきや」のご利用がおすすめです。ここでは、その理由を3つ解説するので、ぜひ参考にしてください。
◇買取実績が豊富
まねきやは、各国で発行されている多種多様な記念硬貨の買取実績が豊富です。長年の経験と専門知識を備えた鑑定士が、お客様の大切な硬貨を一つひとつ丁寧に査定し、価値を正しく評価します。
鑑定士は査定内容をわかりやすく説明するよう心がけているので、疑問や不安があっても解消しやすいでしょう。
◇買取価格が高い
まねきやでは、市場を踏まえた適正価格での買い取りを心がけています。他社と比較すると高額での買い取りとなるケースが多く、お客様から信頼を得ています。
買取査定が初めての方も、安心してご利用ください。
◇LINEで簡単査定が可能
まねきやでは、LINEを通じて簡単に査定の依頼ができる「LINE査定」サービスを提供しています。
QRコードで「友だち追加」をしたら、売りたいアイテムの写真を撮って送るだけで、最短10分で査定結果がわかります。普段から使い慣れているLINEでなら、知りたいことや疑問なども気軽に質問できるでしょう。
手軽に利用できる便利なサービスとなっていますので、ぜひご活用ください。
■まとめ
記念硬貨は、イベントやお祝いごとなどがあった際に発行される特別な貨幣です。歴史的価値の高さや限られた発行枚数による希少性により、コレクターズアイテムとしても人気があります。
記念硬貨の価値を正しく見極めるには、専門的な知識が欠かせません。記念硬貨をできるだけ高く買い取ってもらいたいなら、買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。
高価買取専門店「まねきや」は、記念硬貨の買取実績が豊富です。専門知識のある鑑定士がお品物の価値を適正に評価し、納得のいく査定結果を提示いたします。記念硬貨の売却を検討されている方は、ぜひ「まねきや」をご利用ください。
この記事の監修者
水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長
高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士
今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。
「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。