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カルティエがプラチナジュエリーを確立したってホント?【意外と知らない基本のキ】

2024.05.14

世界的に有名で誰もが知るジュエリーブランド、カルティエ。 カルティエは世界5大ジュエラーと評されるほど名高い、老舗ハイブランドネームです。 世界中から愛されるカルティエは、その昔世界で初めてプラチナジュエリーを確立したといわれています。 さらには、唯一無二のデザイン・コレクションを多岐に渡り発表してきました。 本記事では、そんなカルティエの基本のキを歴史を、踏まえながらくわしく解説していきましょう!

世界5大ジュエラーであるカルティエ

カルティエの歴史

ブルガリやティファニー、ハリーウィンストン、ヴァン・クリーフ&アーペルと並ぶ世界5大ジュエラー、カルティエ。 その歴史は古く、1847年のパリから始まりました。 フランス人宝石細工師である、ルイ=フランソワ・カルティエが、師匠であるアドルフ・ピカールから、ジュエリー工房を受け継ぐ形で、パリのモントルグイユ通り29番地(当時)に「メゾン・カルティエ」を創業しました。

そしてメゾン・カルティエは、1859年にパリ2区イタリアン大通り9番地に移転し、歴史に名高いナポレオン3世の妻、ウジェニー皇后を顧客にもったことで一躍有名ブランドになります。

1872年には息子アルフレッド・カルティエが共同経営者となり、1889年には孫で3代目となるルイ・カルティエも据え、「アルフレッド・カルティエ&フィス」に社名を変更しました。

そして、3代目で創業者の孫にあたるルイ・カルティエがブランドを世界的に成長させました。
1902年にはロンドンに支店を出し、1909年にはニューヨークに支店を開店し革新的なコレクションを次々と発表しました。 さらには、当時英国王であるエドワード7世やスペイン王の御用達となり、その後ロシア皇帝やポルトガル王など、多くの国の王室御用達ブランドに成長を遂げます。

英国王エドワード7世は、カルティエについて「王の宝石商」と呼び、カルティエは世界で名だたるブランドを押さえて最高峰の人気と地位を得るのでした。

愛される理由と現在の愛用セレブたち

その確固たる理由は、時代を先取りした斬新なデザイン、さらに最高品質の宝石と金属、トップクラスの一流職人の技術です。

その昔、英国ダイアナ妃やアラン・ドロン、ジャン・コクトー、グレース・ケリーなど名だたる著名人を虜にしました。

現在では英国皇太子妃キャサリン妃をはじめ、世界中の王室だけでなく、ハリウッド俳優ジョニー・デップやジェイク・ギレンホール、ソフィア・コッポラやアンジェリーナ・ジョリーなどが愛用。

日本やアジアでも、渡辺謙や広末涼子、タモリ、米倉涼子、BLACKPINKジスやジャクソン・ワンなどそうそうたるセレブに愛されています。

プラチナジュエリーの発明

プラチナは、古代エジプトや南米インカ文明の時代に遡る古い金属です。18世紀以降、価値を見出されヨーロッパに入ってきました。そして、他の金属よりはるかに融点が高いプラチナの加工技術が、18世紀後半にヨーロッパで確立されはじめました。
それでもあまり有名ブランドで使われてこなかったプラチナを、1903年にルイ・カルティエが世界で初めてジュエリーコレクションとして採用しました。

それ以降、カルティエのプラチナジュエリーは看板のジュエリーデザインとなリました。

ルイ・カルティエは、「プラチナこそ貴金属の王にふさわしい。繰り返し自らを主張するのだ」との言葉を残すほど、プラチナに傾倒していました。

アール・ヌーボー時代のカルティエ

19世紀末〜20世紀初頭、”曲線的な”ヨーロッパで流行した美術様式で”新しい芸術”を意味するアール・ヌーボー時代。 カルティエは、プラチナとダイヤモンドで作られたレースのようなジュエリーデザイン「ガーランドスタイル」を確立させます。高級感あふれるデザインは、世界中の王室に求められるほどに。 このガーランドスタイルは、3代目ルイ・カルティエによって生み出され、高度な技術者のみがなせる技のもと実現しました。 繊細で豪華な装飾は、なんとも言えぬ華やかさを持ちます。

アール・デコ時代

アール・ヌーボー時代に続く、”装飾美術”を意味するアール・デコ時代は、1910年半ば〜1930年代初頭にニューヨークを中心に流行したデザイン文化です。 幾何学模様や図形をモチーフにした、現代的で”直線的な”デザインは、実用的で合理的な、これまでにない美学として当時大絶賛を受けました。マンハッタンのエンパイア・ステートビルやクライスラービルはアール・デコ建築の今なお残る最高峰と言われます。

カルティエは、このアール・デコを積極的に取り入れます。ジュエリーや時計などを次々に発表し、アール・デコジュエリーの先駆けとして世界中から注目を集めました。

リングデザイン「トリニティ」や、宝石の時計デザイン「タンク」は、アール・デコ時代の代表作です。

アイテムのご紹介

トリニティ

2024年で100周年を迎える、カルティエを代表するアイテム、「トリニティ」。 1924年、フランスの芸術家ジャン・コクトーがカルティエの工房にデザインを依頼したことが始まりです。 「印章を施したリングと土星、その2つの中間をデザインした指輪」をテーマに、フランス語で「3」を意味する「トリニティ」が完成しました。 ホワイトゴールド・イエローゴールド・ピンクゴールドといった3種類の18金ゴールドが、絶妙なバランスで重なり合う斬新で美しいデザイン。 トリニティは瞬く間に人気となり、以後100年もの間世界中で愛されるアイテムとなりました。 日本では、女性へのプレゼントとしてバブル期の1990年代に絶大な人気と流行に! 3色が織りなすカラーには、それぞれピンクには愛、イエローには忠誠、ホワイトには友情という意味を持ちます。 トリニティは時代によって、さまざまなタイプと種類が生み出されてきました。ゴールド以外にも存在し、ダイヤが入っているタイプもあります。ブレスレット、ネックレス、はたまたペンなどさまざまな種類が。2024年は100周年記念としてクッションシェイプ、モジュール式、XLサイズなどの新作モデルが追加され話題となっています。

ソリテール

1895年に発表されて以来、カルティエのエンゲージリングとして有名な「ソリテール」シリーズ。 リングのセンターに大粒のダイヤが鎮座した、世界中の女性が憧れる王道デザインです。 センターの4本のプロングと石座デザインに留められている、ブリリアントカットを施したダイヤモンドは、カルティエだけの唯一無二の美しさ。 目を引く立体的なダイヤのデザインのソリテールには、豊富なバリエーションも。 元祖クラシックである「ソリテール1895」に、センターダイヤモンドの傍にあしらわれた4つの小粒のダイヤが魅力の「バレリーナ・ソリテール」。 さらに、愛の絆と束縛がテーマのビスデザインが施された「ラブ・ソリテール」、3色ゴールドの「トリニティ・ルバン・ソリテール」などカルティエの人気シリーズのソリテールなど。

パンテール

フランス語で「豹」「パンサー」という意味の「パンテール」は、1914年に登場以来カルティエを象徴する動物。
そんなパンサーをモチーフに作られたパンテールは、独創的でゴージャスかつワイルドなジュエリーデザインが特徴です。パンテールシリーズを語る上で、なくてはならない存在が“パンテール”と呼ばれた女性ジャンヌ・トゥーサン。

エメラルドとコーラル、アメジストとターコイズが調和した動物をモチーフとし、「トゥーサン・テイスト」と呼ばれるパンテールデザインが生み出されたのは1948年のこと。 パンテールのブローチを皮切りに、さまざまなジュエリーアイテムが生み出されました。
現在では、パンテールの特別なコレクションのほか、レディースデザインのエレガントな腕時計が特に定番の人気を誇ります。

ラブ

1970年にアメリカ・ニューヨークで誕生した「ラブ・コレクション」。 等間隔に施されたビスモチーフのデザインが象徴的です。
このビスモチーフは、古き昔のフランスの貞操帯の鍵の形からインスピレーションされ、「愛の絆」と「束縛」がテーマとなっています。ラブリング、ラブブレス、ネックレスなど、「永遠の愛」を誓う男女にぴったりのジュエリーコレクションといえるでしょう。地金にはプラチナ・ホワイトゴールド・イエローゴールド・ピンクゴールドから選べ、中にはダイヤモンドをあしらったデザインもあります。

ウェディングだけでなく、シンプルなデザインは普段使いにもぴったりです。

まとめ

世界5大ジュエラーとして世界に愛される老舗ブランドカルティエ。 カルティエの歴史から独創的な発明、さらに人気のアイテムコレクションについて解説していきました。 これまでになかったプラチナジュエリーの発表から、個性的でハイセンスなスタイル・デザインを長きに渡り世に出してきたカルティエ。いつの時代も世界中の人々の憧れであり、夢を叶えてきた美しいアイテムばかりです。

この記事の監修者

水野 政行 | 株式会社水野 代表取締役社長

高価買取専門店 まねきや 最高責任者・鑑定士

今まで 54,750点以上の査定実績。
金・貴金属・宝石全般、ロレックスなどのブランド時計、ブランド品全般、切手、古銭、絵画、骨董品全般の査定を得意とする。
2021年より自社ブランドである「高価買取専門店 まねきや」をリリースし、全国に展開。 「売るはめぐる」をコンセプトにした、買取専門店である当店を一人でも多くの方に体感していただくために、私の約15年間の業界経験の全てを注ぎたいと思っております。